2020. 5. 9

【ALMAメールマガジン】恒星間飛行天体ボリソフ彗星の特異な組成を明らかに

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2020年5月9日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。

 
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Pick up!
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◆アルマ望遠鏡が恒星間飛行天体ボリソフ彗星の特異な組成を明らかに
2019年、太陽系の外からひとつの天体が太陽系に飛来し、話題になりました。「ボリソフ彗星」です。アルマ望遠鏡は、2019年12月15日・16日にこの彗星を観測し、太陽系外からやってきた天体から噴き出す物質を特定することに成功しました。この観測は、NASAゴダード宇宙飛行センターのマーティン・コーディナー氏らの研究チームによって行われました。その結果、ボリソフ彗星から噴き出したガスから、一酸化炭素(CO)とシアン化水素(HCN)が検出されました。ボリソフ彗星には、太陽系の一般的な彗星よりもかなり大量の一酸化炭素が含まれていることもわかりました。これは、他の惑星系が太陽系と大きく異なる環境にあることを示しているのかもしれません。

 
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Topics
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◆アルマ望遠鏡バンド2受信機の開発が正式にスタート
アルマ望遠鏡が新しい周波数帯を観測することを可能にする「バンド2」受信機の開発に関する正式な契約が交わされ、開発が正式に開始されることになりました。バンド2受信機の開発は、欧州にある複数の研究機関が共同して主導します。国立天文台は、東アジアからの貢献として、受信機に電波を導く「受信機光学系」の製造と試験を担当します。

 
◆アルマ望遠鏡コンテンツで #ステイホーム週間 を楽しもう
自宅で過ごす長いゴールデンウィークのおともに、おすすめのアルマ望遠鏡コンテンツをまとめました。アルマ望遠鏡の開発の歴史を映像で振り返ったり、アルマ望遠鏡を使う研究者の講演を通して新しい宇宙像に触れたり、自分だけのアルマ望遠鏡アンテナを作ったりと、いろいろな楽しみ方を見つけてみてください。

 
◆特集:視力6000で見る宇宙【vol.4】「化学」を道具にして星の誕生を探る
星や惑星は、どのようにして生まれたのか―。その謎に「化学」で挑む研究者がいます。理化学研究所の坂井南美 主任研究員です。宇宙空間はほとんど真空ですが、実はごく希薄なガスが漂っていて、そこでは驚くほど豊かな化学反応が起きています。宇宙にどんな分子があって、その分子がどんな環境で生まれるのかを調べる―。それは、星がどのような環境で作られるのかを知る手がかりになります。アルマ望遠鏡を駆使して、宇宙での化学反応を追いかける坂井さん。星誕生の謎に迫る研究の面白さについて聞きました。

 
◆特集:アルマ望遠鏡のしくみ 第1回
アルマ望遠鏡は、人がのぞくことのできる普通の望遠鏡とは大きく違います。その違いを知れば、アルマ望遠鏡が天文学の教科書を書き換えるような成果を出せるヒミツがわかるはず。そこで、講演やtwitterなどでよく寄せられる「アルマ望遠鏡のしくみ」についての疑問に答える連続コラムを企画しました。第1回は、「よく見える望遠鏡を作るには、どうしたらよいか?」という質問。答えるのは、国立天文台でアルマ望遠鏡の教育広報主任を務める平松正顕助教です。

 

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Information
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アルマ望遠鏡の日本語公式インスタグラム始めました!
これまでの観測画像、アタカマの自然の風景、星空の写真など、いろいろな写真を投稿していきます。ぜひフォローをお願いします!

 

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Afterword
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今回のPick up! では、「ボリソフ彗星の特異な組成を明らかに」という話題をお届けしました。この研究を行ったNASAゴダード宇宙飛行センターの宇宙化学研究者であるマーティン・コーディナー氏は、過去にも、アルマ望遠鏡を使って数々の彗星の組成を調査してきました。2013年11月には、 レモン彗星とアイソン彗星 を観測。アルマ望遠鏡によって、彗星を取り巻く薄いガス(コマ)の史上最高解像度(当時)のデータを取得しました。2018年12月には、地球に最接近した ウィルタネン彗星 の観測も行いました。アルマ望遠鏡は、これらの彗星の核にある「シアン化水素分子(HCN)」が放つ電波を観測しています。HCNガスは、生命の材料となる有機分子の一つです。HCNガスが彗星のコマにたくさんあるということは、何十億年も昔、彗星が生命の材料を地球に運んできた可能性もあります。今後も、アルマ望遠鏡による最新の観測成果にご期待ください!

 

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