ACAアンテナ16台引き渡し完了記念セレモニー

アルマ望遠鏡のアンテナ66台のうち日本は、12mアンテナ4台と7mアンテナ12台、計16台のアンテナの開発・製造を担当しています。日本で製造されたアンテナはチリの標高2900mの山麓施設で組み上げられ、調整・試験が行われます。審査を通過し、アルマの厳しい仕様を満たすと判断されたアンテナが、合同アルマ観測所(JAO)へと引き渡され、観測に使われます。

2008年12月、日本は記念すべきアルマ第一号アンテナをJAOに引き渡し、順次12mアンテナ4台の引き渡しを終えました。続く2011年5月に7mアンテナ一号機の引き渡しが行われ、2012年8月23日に16台のアンテナすべてがJAOに引き渡され、日本製造担当のすべてのアンテナが運用に供せられることとなりました。

10月1日、国立天文台三鷹キャンパスで引き渡し完了を記念して、関係者が集まりました。林正彦(国立天文台長)が祝辞を述べ、アンテナチームを始めとするアルマプロジェクトメンバーのこれまでの苦労をねぎらいました。続いて、長谷川哲夫(国立天文台チリ観測所長)と稲谷順司(国立天文台教授・アンテナチームリーダー)が、前例のないところからスタートしたアンテナ開発の苦労や、これまでの技術では不可能と思うような厳しい仕様を満たすアンテナを製造し評価した経緯を語りました。
これでアンテナの組み上げ調整試験は無事に終了しましたが、アルマの最終目標は科学的成果を得ることにあります。絶えず最高性能を維持し続けるためのメンテナンスも欠かせません。関係者一同、引き続き力を尽くすことを改めて心に刻みました。最後にひとりひとりがアンテナに見立てた16のダルマに目を入れて祝しました。セレモニーの模様はチリ赴任者、出張者にも中継され、ともに祝いました。

写真はダルマに目を入れる稲谷順司 国立天文台教授と、集合写真です。

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