モリタアレイ向け新型分光計最終設計・製造審査会を開催

2019年12月4日~5日、モリタアレイ向け新型 GPU分光計の最終設計・製造審査会が韓国で開催され、アルマ望遠鏡の機能強化に資する東アジア地域での技術開発がまた一歩前進しました。

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モリタアレイ向け新型分光計最終設計・製造審査会に参加した面々
Credit: KASI

モリタアレイ向け新型分光計は、アルマ望遠鏡の中で日本が開発した口径12m4台と7m12台の16台のアンテナからなるモリタアレイ(アタカマ・コンパクトアレイ: ACA)のうち、12mアンテナ4台からのデータを処理するために開発されています。現在は7mアンテナと12mアンテナで得られたデータが両方ともACA相関器で処理されていますが、ACA相関器は7mアンテナからのデータを相関処理することに最適化されており、単一のアンテナとして働くACA12mアンテナのデータ処理には最適化されていません。今回、12mアンテナ4台のデータ処理にGPUを使った新型分光計を導入することで、モリタアレイの性能を最大限に引き出し、天体から届く電波の強度を測定する能力を高めます。この分光計は、韓国天文宇宙科学研究院(Korea Astronomy and Space Science Institute: KASI)と国立天文台が協力して開発しています。

最終設計・製造審査会では、国際的な専門家からなる審査委員会が分光計の設計と製造過程を審査し、チリの標高5000mの地で十分な性能を発揮できる設計になっているかなどが審査されました。

新型分光計プロジェクトの主任研究者であるKASIのジョンスー・キム氏は、「KASIと国立天文台の緊密な協力によって、今回の最終設計・製造審査会を達成することができました。今後、GPU技術を使った新しい観測装置の開発にも努力を続けていきます。」と語っています。

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