2014年8月17日、自然科学研究機構は韓国天文宇宙科学研究院 (Korea Astronomy and Space Science Institute, KASI) との間でアルマ望遠鏡に関する協定書に署名を行いました。これにより、日本と台湾からなるアルマ望遠鏡東アジアコンソーシアムに韓国が加わります。
日本と韓国のあいだでは、天文学においてこれまでも活発に共同研究が行われてきました。2001年には国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡と韓国大徳電波天文台(Taeduk Radio Astronomy Observatory)の14m電波望遠鏡を結んだ初めての超長基線電波干渉計(VLBI)観測に成功し、翌年には国立天文台とKASIが正式に協定を結び共同研究を推進してきました。またアルマ望遠鏡に関しても、2012年3月に国立天文台とKASIは協力協定に調印しています(参考:アルマ通信『韓国とのアルマ望遠鏡に関する協力協定に調印』)。
今回の協定により、正式に韓国がアルマ望遠鏡プロジェクトに参加し、アルマ望遠鏡の運用と新規観測装置の開発に貢献します。これにより、日本と韓国の間で電波天文学分野における協力がより一層緊密になり、東アジア地域においてより多彩で強力な研究を推進できると期待されます。
下の写真は、KASIで行われた署名式典での記念写真です。左から、チュルスン・チェ KASI宇宙科学部門長、ジョンスー・キム KASI電波天文学部門長、ユンデク・パク KASI副院長、佐藤勝彦 自然科学研究機構長、インウー・ハン KASI院長、林正彦 国立天文台長、小林秀行 国立天文台副台長、井口聖 東アジア・アルマ・プロジェクトマネージャです。