理化学研究所開拓研究本部坂井星・惑星形成研究室の大橋聡史研究員らの国際共同研究グループは、成長途上にある原始星円盤に「リング構造」を持つものが存在することに着目し、このリング構造は惑星形成の始まりに起こる塵の付着成長によって作られた可能性があることを示しました。
本研究成果は、惑星は恒星の形成後に作られるという古典的惑星形成論に大きな疑問を提示するものであり、惑星は従来考えられていたよりもずっと早く、原始星とともに作られ始めるという形成メカニズムの可能性を示しています。
今回、国際共同研究グループは、円盤での塵の付着成長のシミュレーションを行った結果、リング構造が現れることを発見しました。このリング構造は、塵が大きなサイズに成長したことで形成され、そこで惑星形成が開始したことを意味しています。実際に、アルマ望遠鏡やVLAによる電波観測でリング構造が見つかっている23個の円盤におけるリングの位置をシミュレーション結果と比較したところ、形成開始後100万年に満たない若い円盤では、リングの位置をこの形成メカニズムで説明できることが分かりました。
本研究は、科学雑誌『アストロフィジカル・ジャーナル』の掲載に先立ち、オンライン版に近日掲載予定です。
詳しくは、理化学研究所のプレスリリース『惑星は恒星と同時に作られていく?-原始星円盤の形成初期に存在する惑星形成リング-』をご覧ください。