アルマ望遠鏡科学観測サイクル6への観測提案が、4月19日24時(日本時間)に締め切られました。世界中から1800を超える観測提案が提出され、その数は過去最高を再び更新しました。
アルマ望遠鏡で観測を行うためには、観測提案の提出が必要です。今回締切を迎えたのは、2018年10月から1年間にわたって実行される観測期間「サイクル6」への提案です。1800以上という提案数は、現在行われている「サイクル5」への観測提案1661件を大きく超えるものです(ただし今回の数字は速報値のため、重複投稿などを確認して取り除く作業はこれから行われます)。提出された観測提案は世界中から選ばれた研究者によって審査され、最終選考は6月18日~23日に東京で行われる予定です。
アルマ望遠鏡の所長を務めるショーン・ドウアティ氏は「アルマ望遠鏡への観測時間要求は、今も非常に多く、さらに増加しています。これは、アルマ望遠鏡が着実にその性能を向上させながら継続してデータを取得し、高品質なデータをより多くタイムリーに研究者に渡すことができているからでしょう。これは、チリ、北米、ヨーロッパ、そして東アジアのアルマ望遠鏡チーム全員の不断の努力によるものです。」と語っています。
サイクル6では、米欧が開発した12mアレイで4000時間、日本が開発したモリタアレイで3000時間が採択された提案に割り振られます。サイクル6で新たに円偏光の観測、モリタアレイ単独でのバンド8観測が実行可能になったほか、バンド6で同時観測周波数帯域が拡大したことで、より多様な分子からの電波を一度に観測できるようになりました。