2020年1月15~16日に、国立天文台アルマプロジェクトと天文データセンターの共催で、アルマ望遠鏡のデータ解析講習会(イメージング・中初級編)を開催しました。
アルマ望遠鏡で取得されたデータのほとんどは、研究者が自ら提案し、審査を経て採択された観測プロジェクトで取られたものです。それらのデータに対しては、日米欧のアルマ望遠鏡地域センターやチリの合同アルマ観測所スタッフによって、装置や大気などの影響を取り除くための解析と画像化が行われ、提案者が要求した感度と解像度が達成されていることが確認されます。そしてアーカイブへ格納されたデータは、1年後には全世界へ公開されます。2011年の観測開始以降、アーカイブデータは蓄積され続けており、アーカイブの科学的な利用価値はますます高まっています。
アルマ望遠鏡アーカイブの利用を促進するため、国立天文台はデータ解析講習会を実施しています。これまでは入門編としてアーカイブの利用方法や格納されている画像の解析方法に関する講習会を行ってきましたが、今回は初めて「イメージング・中初級編」を行いました。講習会には12名が参加し、アーカイブにある画像をそのまま使うのでなく、研究の目的に合わせて自ら画像を生成したり、複数のアーカイブデータを合わせて画像化したりするために必要な知識を、講義と実習を通して学んでいただきました。実習では、ときには講習会の教材の内容を越えて、研究目的や天体、観測周波数に応じた解析について、チューターに熱心に質問する参加者の姿も見られました。今回は多くの研究者や大学院生から定員を超える申し込みがありましたので、今後も開催を検討していきます。