この講演会の録画は、以下のYouTubeでご覧いただけます。
ここからは、講演会の内容を簡単に振り返ってみましょう。
講演1:暗黒の宇宙を電波で探るアルマ望遠鏡 (平松 正顕 国立天文台 助教)
「夜空に輝くあの星のまわりはどうなっているのだろう?」、「太陽系のような惑星系はどうやって生まれたのだろう?」
アルマ望遠鏡は、宇宙に浮かぶ暗黒の雲を観測することで、この謎の解明に挑んでいます。暗黒の宇宙を探るときには、アルマ望遠鏡のよく見える電波の目が活躍します。電波で宇宙を見ること、複数のアンテナを使った観測のしくみなど、アルマ望遠鏡の基礎をご紹介しました。あとに続く講演をより楽しんでいただくための基礎講座でした。
講演2:アルマで働く、アルマを動かす (高橋 智子 国立天文台 准教授)
アルマ望遠鏡で撮影された美しい天体画像や観測成果の舞台裏で、アルマ望遠鏡の運用に関わる人たちがどんな仕事をしているのかをチリから紹介しました。標高5000mの高地に建設されたアルマ望遠鏡は、標高2900mに位置する山麓施設から遠隔操作されています。その運用を担当する高橋さんならではの視点で、『観測当番天文学者』という仕事を紹介。普段は見られない山麓施設の見学ツアーも実施しました。
講演3:アルマ望遠鏡が追う星のヒナ誕生までの10万年 (徳田 一起 大阪府立大学 特任研究員)
おうし座の暗黒星雲にある「星の卵」の成長過程を研究している徳田さん。「星はどうやって誕生するのだろう?」その謎を解明するため、アルマ望遠鏡を使って暗黒星雲(分子雲)をたくさん観測し、星の卵から星のヒナが誕生するまでの成長記録を描き出すことに成功しました。そもそも星の卵とはどういうものか、星の卵を電波望遠鏡でどうやって探したのかなど、最新の観測画像とともに『星の卵と誕生後間もないヒナの姿』を紹介しました。
質疑応答では、「どこを観測するか、どうやって決めているの?」とか、「一つの分子雲で作られる恒星の数は、平均どれくらい?」など、YouTubeのコメント欄にたくさんの質問が寄せられました。予想をはるかに上回る数の質問をいただき、今回は時間内に十分お答えができないほどでした。次回はより多くの質問にお答えできるようにしていきます。ぜひまたご参加ください。