アルマ望遠鏡5年間の成果が一堂に

世界中から200名以上の天文学者が、米国カリフォルニア州で開催された研究会 "Half a Decade of ALMA: Cosmic Dawns Transformed" に参加しました。9月20日から23日の日程で開かれたこの研究会は、アルマ望遠鏡とそのパートナーである日本の国立天文台、米国立電波天文台、欧州南天天文台が共同で運営しています。2011年にチリで、2014年に東京で開催されたこれまでの研究会に続く、アルマ望遠鏡観測開始以来3回目の国際研究会です。

研究会の共同組織委員長を務めるクリスタル・ブローガン氏は次のように述べています。「アルマ望遠鏡を使う研究者たちの集まりには世界中から多くの若い研究者が参加していて、とても満足しています。それは、彼らがアルマ望遠鏡に非常に高い関心を抱いている証であり、次世代の研究者によってこれからもアルマ望遠鏡から素晴らしい成果が出続けることが期待できます。」

4日間の研究会ではおよそ150名の研究者がアルマ望遠鏡による最新の研究成果を発表しました。研究テーマは原始惑星系円盤、太陽系、星や銀河の進化、そして宇宙での化学など多岐にわたります。

アルマ望遠鏡オブザーバトリーサイエンティストのジョン・カーペンター氏は「原始惑星系円盤、星形成、遠方銀河の性質まで、どの分野の研究発表も素晴らしいものです」と語っています。

合同アルマ観測所長のピエール・コックス氏は「この国際研究会は最新のアルマ望遠鏡成果を共有し5年間の進捗を評価するだけでなく、アルマ望遠鏡がこれからも科学研究を強力に推進していくための戦略を練るためにも重要な機会です」と述べています。

9月24日と25日には、アルマ望遠鏡に関するポスドク研究員のためのシンポジウムが同所で開催され、互いの経験が共有されました。このようなポスドクシンポジウムは2014年の東京での国際研究会に合わせて初めて開催されたものですが、世界に3か所(日本、ドイツ、米国)設置されているアルマ地域センターで働くポスドク研究員がその枠を超えた共同研究を始めたり進展させたりするための重要な機会になっています。

新しい科学観測サイクル4は、10月に開始されます。この観測期間ではさらに新しい観測能力が研究者に公開され、さらに新しい研究成果が期待されます。

この研究会の情報は、"Half a Decade of ALMA: Cosmic Dawns Transformed" に掲載されています。

下は、研究会で撮影された集合写真です。
Credit: Brett A. McGuire, NRAO/AUI/NSF

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