アルバロ・ゴンサレス准教授、第8回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞

国立天文台アルマプロジェクトで東アジア・アルマ・プロジェクトマネージャを務めるアルバロ・ゴンサレス准教授が、第8回自然科学研究機構若手研究者賞を受賞し、2019年7月7日に記念講演会が開催されました。

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小森彰夫 自然科学研究機構長から表彰状を受け取るアルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授。
Credit: 自然科学研究機構

アルバロ・ゴンサレス氏は、アルマ望遠鏡に搭載される超高感度電波受信機の開発にその手腕を発揮してきました。特に、アンテナで集められた電波を受信機の心臓部に導く『電波光学系』の研究開発に大きく貢献しました。宇宙からやってくる電波は大変微弱なため、いかに損失なく電波を受信機に導けるかが大変重要になります。光学系を構成する部品には、アンテナで集めた電波を集束させる鏡やレンズ、集束した電波を導くコルゲートホーン、電波を受信機の心臓部であるミクサに運ぶとともに偏波の分離などの機能を持つ導波管などがあります。ゴンサレス氏は、アルマ望遠鏡の受信機で最も技術的に難しい最高周波数帯のバンド10受信機において、光学系を構成する部品の性能を追求し、またシステムとして最適化を図ることで、この周波数帯の世界最高性能の受信機の実現に寄与しました。アルマ望遠鏡がもたらす多彩な科学成果の創出に技術面から大きく貢献したことが高く評価され、今回の受賞となりました。

日本科学未来館で開催された受賞記念講演会では、ゴンサレス氏は電波天文学の基礎や可視光天文学との違い、電波望遠鏡の原理や光学系設計の重要性などを紹介したほか、アルマ望遠鏡が明らかにした惑星誕生現場の詳しい画像や132億光年彼方の銀河の観測成果を紹介しました。また、自身がスペイン・フランス・アメリカ・日本で教育を受けたこと、通信工学や電気工学、天文学と様々な分野を学んできたことを挙げ、自分の興味に従いながら幅広い視野を持って歩んでいくことの重要性を参加者に語りかけました。

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若手研究者賞受賞者との記念写真。前列左端がアルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授。前列中央は小森彰夫 自然科学研究機構長、後列左から2番目が、常田佐久 国立天文台長。
Credit: 自然科学研究機構

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受賞記念講演後、「ミート・ザ・レクチャラーズ」コーナーで参加者と話をするアルバロ・ゴンサレス氏(右)と常田佐久 国立天文台長。
Credit: 自然科学研究機構

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