気持ちの良い晴天の下、2018年8月25日(土)に国立天文台野辺山宇宙電波観測所の特別公開が開催されました。日本の電波天文学の聖地ともいえる野辺山は、アルマ望遠鏡プロジェクト発祥の地のひとつでもあり、毎年アルマ望遠鏡の展示を行っています。
アルマ望遠鏡・アステ望遠鏡展示では、ミリ波サブミリ波天文学の意義や最新成果を紹介するポスターや、チリ現地の地形とアンテナ配置を再現した1/10,000スケールジオラマ、ドローンで撮影した現地映像などを展示し、研究者や技術者が解説を行いました。
また、国立天文台チリ観測所の阪本成一所長、平松正顕助教、宮本祐介特任助教がミニ講演を行い、合計で150名ほどの方にアルマ望遠鏡の性能や現地運用の苦労、さまざまな新しい成果についてご紹介しました。
新しい企画として、電波天文学の基本を学べる塗り絵も行いました。電波望遠鏡は、空のいろいろな場所からの電波の強さを測ることで電波写真を合成しています。電波塗り絵では、実際のアルマ望遠鏡観測画像もとにして電波の強さを0~5の数字に変換し、マス目に数字を入れてあります。数字ごとに異なる色をぬっていくと、電波の強さに応じた絵が浮かび上がります。今ではコンピュータを使って電波画像を合成することができますが、野辺山宇宙電波観測所ができた当初は、天文学者が実際にこのような塗り絵をして天体の姿を把握していました。今回のぬり絵コーナーでは、そんな天文学者の姿を追体験することを目指しました。マス目の多い塗り絵でも、年齢問わず多くの方にお楽しみいただけたようでした。