国立天文台が米欧との国際協力で運用するアルマ望遠鏡がチリに設置されていること、国立天文台の本部が三鷹市にあることから、三鷹市は東京2020パラリンピックに向けたチリ選手(卓球、アーチェリー)の事前キャンプ地に選ばれています。また、三鷹市はチリの「ホストタウン」「共生社会ホストタウン」として登録されており、東京2020大会後もチリとの交流を継続する予定です(参考:みたか”2020″ニュース 2020年11月号)。
今回の交流事業には、国立天文台に勤務するチリ人天文学者アンドレス・グスマン特任研究員と、阪本成一教授、平松正顕助教が講師として参加しました。講演では、まず平松助教がアルマ望遠鏡と電波天文学の概要を紹介したのち、阪本教授がチリからのリモート講演として、チリが天文学観測に優れていることやチリで活躍する国立天文台職員の紹介がありました。その後、グスマン研究員が、自らが研究する星の誕生について、その概要やアルマ望遠鏡を用いた研究成果などを紹介しました。講演は日英通訳および全編にわたる手話同時通訳も行われ、共生社会の実現に向けた取り組みのひとつともなりました。
今回の交流事業には、当初の想定を超える申し込みがあり、天文学に関する関心の高さがうかがえました。講演のあとには20分ほど質疑応答の時間が設けられ、「地球のような惑星はどれくらいの頻度で生まれるのか」「アンテナはどうやって運ぶのか」「宇宙についてもっと学ぶにはどうしたらよいか」など多岐にわたる質問に、講師3名が回答しました。
国立天文台アルマプロジェクトでは、チリと日本をつなぐ交流イベントを今後も企画していく予定です。