アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2017年12月4日号
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今夜は「月齢16」
アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎スターバースト心臓部で見えてきた
熱い“分子の密林”
非常に活発に星を生み出しているスターバースト
銀河は、多量のガスや塵(星間物質)に覆わ
れており、その心臓部がどのような環境に
なっているかを探ることは容易ではありません。
東京大学大学院理学系研究科の安藤亮大学
院生、国立天文台の中西康一郎特任准教授、
東京大学大学院理学系研究科の河野孝太郎
教授らの研究グループは、非常に高い空間的
な分解能・感度を誇るアルマ望遠鏡を用いて、
約1100万光年先にあるスターバースト銀河
NGC 253を観測しました。その結果、従来は
星間物質の大まかな分布しか見えていなかった
スターバースト心臓部に、活発に星を生み出し
ている星間物質の塊が8個並んでいる姿を
捉えることに成功しました。またこれらの塊では、
見つかる分子の種類や信号の強さが異なる
ことが初めて明らかになりました。さらに一つの
塊では暖められた多種の分子ガスからの放射
(分子輝線)がスペクトルを隙間なく埋め尽くす、
熱い“分子の密林”といえる特異な状態になって
いることも明らかになりました。銀河系外で
“分子の密林”が観測されたのは初めてです。
現在アルマ望遠鏡では、同じスターバースト
銀河をより幅広い波長帯で観測するプロジェクトが
始動しています。宇宙の星形成の歴史における
主要なプレイヤーであるスターバースト銀河に
秘められた多様な環境が、さらに詳細に解明
されていくことが期待されます。
このプレスリリースは、東京大学より主導発表
されたものです。
https://alma-telescope.jp/news/press/ngc253-201711
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topics
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◎アルバロ・ゴンサレス氏、IEEE RADIO 2017
Young Scientist Awardを受賞
国立天文台チリ観測所のアルバロ・ゴンサレス
助教が、2017年9月に南アフリカ共和国で開催
されたIEEE Radio and Antenna Days of the
Indian Ocean (RADIO) 2017にて、Young Scientist
Awardを受賞しました。
今回の受賞について、アルバロ氏は「私が携わった
『バンド2+』受信機の光学系は、国立天文台が
過去数年にわたって他の研究所と共同で進めて
きた『バンド1』、『バンド2+』、『バンド2+3』の
光学系設計の好例といえます。今回の受賞を
うれしく思うとともに、こうした新受信機の構想や
設計が実際にアルマ望遠鏡に生かされ、アルマ
望遠鏡の科学的性能がさらに高まることを期待
しています。」と語っています。
https://alma-telescope.jp/news/alvaro-award-ieee-201711
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event
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◎2018年1月13日(土)17:00~19:00
研究者の話を聞こう ~アルマ望遠鏡で見る星の一生~
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
場所:バンドー神戸青少年科学館(兵庫県神戸市)
参加費:無料(展示室入館料が必要)
申込:12月7日10:00~電話にて。
http://kobe-kagakukan.com/
◎2018年2月3日(土)16:00~17:30
星の講演会「驚異の視力で見る宇宙 ~アルマ望遠鏡~」
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
場所:郡山市ふれあい科学館(福島県郡山市)
料金:無料
申込:2018年1月6日(土)~電話または直接。
http://www.space-park.jp/events/star_lecture/2018/0203/index.html
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afterword
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11月にアルマ望遠鏡メディアツアーを実施しま
した。日本のジャーナリストや記者さんをチリ・
アルマ望遠鏡施設にお連れし、取材や撮影を
してもらいました。首都サンティアゴの事務所
から標高2900メートルの山麓施設、アンテナ
の並ぶ標高5000メートルの山頂施設まで、
アルマの全貌をご案内しました。
日本からはサンティアゴまでも遠く、約10時間
のフライトを乗り継ぎ、2回する必要があります。
そしてサンティアゴからアルマ望遠鏡施設まで
は国内線と陸路での移動で約半日を要します。
移動中はどこまでも広がる平原にまっすぐな道
が通り、日本国内では見ることのできない光景
が広がります。アルマ建設地を探して砂漠を
駆け回っていた約20年前は道が整備されて
おらず、移動は困難を極めたことでしょう。
当時の天文学者の苦労と建設にかける情熱は
想像を絶するものであったと、改めて感じずに
はいられません。
行程中は多くの研究者、技術者のインタビュー
を企画しました。それぞれ違う立場でアルマを
支える立役者であり、日々奮闘する業務に
ついて、生の声をお伝えしました。特に標高の
高い地でアンテナのメンテナンスを行なう技術
者が過酷な状況で作業する困難さを話すと、
記者さんは実感を持って頷いていました。実際
に標高5000メートルの環境を体感したからこそ、
アルマ望遠鏡の運用を支える現場の声に寄り
添っていただくことができたようです。
今回の取材は様々なメディアで発信される予定
です。皆様の元に届く日がとても楽しみです。
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