2004. 11. 24

2004年秋号 総合科学技術会議による評価、サンチャゴオフィス開所式等

国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま
 担当者がしばらくチリに行っている間に、日本はすでに秋というよりは
初冬になってしまったようです。申し訳ありません。三鷹キャンパスでは
銀杏拾いの季節は過ぎ、紅葉が見ごろを迎えています。
 さて、国立天文台が進めているALMA計画の近況報告と、これから行われ
る一般向け講演会等についての案内をお送りします。
※最新情報についてはALMAのホームページ
 http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。
【近況報告】
 文部科学省からALMA計画の推進に関して来年度分として30億3900万円が
要求されました。これにはALMAの開発を行うための高度環境試験棟の第二
期工事分も含まれています。これに対して今年も例年と同様に総合科学技
術会議による評価が行われ、ALMA計画の評価はS-A-B-CのうちのAランク(重
要な施策等であり、着実に実施すべきもの)として位置づけられています。
https://alma-telescope.jp/assets/uploads/sites/www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu40/siryo1-5.pdf
 日本のプロジェクト推進体制が整備されつつあり、開発も着々と進めら
れています。アンテナに関しては調達の準備が進められており、受信機に
ついては、ミリ波帯ではその心臓部ともいえるミキサ部分についてほぼ仕
様を満足する結果が得られ、サブミリ波帯でも評価用受信機が完成し各種
の測定が進められています。相関器については9月30日に3年間の製造契約
が締結され、国内のメーカにおいて製造が開始されています。
 国際的にも大きな動きがありました。9月14日にALMA共同建設協定書の署
名が完了して日本が正式に参加したことにより、ALMA計画の最高レベルの
意思決定機関であるALMA評議会にも日本の代表を送ることができるように
なり、11月初旬にはチリの山麓施設においてその会議が開催されました。
また、11月1日にはチリのサンチャゴにあるオフィスビルの18階に合同ALMA
事務所が開設され、開所式が行われました。まだ内装工事が進められてい
る途中ではありますが、すでにプロジェクトディレクタやプロジェクトマ
ネージャはここに拠点をおいて活動を開始しています。当然のことながら
日本からのチームのための部屋も用意されており、部屋の窓からは眼下の
サンチャゴのオフィス街の喧騒とともに、遠くアンデスの山並みも望むこ
とができます。
 ALMAへの正式参加を期に、ALMAが目指す天文学研究について広くお伝え
するために、第5回のALMA公開講演会は例年よりもかなり大きめの会場とし、
下記のように12月5日に都心で開催することにしました。まだ席には余裕が
ありますので、お誘い併せのうえ参加登録をお願いします。また、この講
演会に合わせて12月初旬に日本評論社から「私たちは暗黒宇宙から生まれ
た-宇宙137億年を解き明かすALMAプロジェクト」」が刊行されます。
https://sslserver.sbs-serv.net/nippyo/korekara/bookinfo.asp?No=2471
この書籍は会場で特別価格にて販売されます。宇宙誕生から生命誕生に至
るテーマを日本を代表する執筆者陣が分担して概観したほか、小柴昌俊先
生による特別寄稿も含まれていますのでご期待ください。
 ALMAの完成とそれを用いた研究の早期実現に向けて、引き続き皆様のご
支援をお願いいたします。
【一般向け講演会・施設公開・展示等】
◎第5回ALMA公開講演会
 「惑星と生命の起源を求めて -いよいよ始まるALMAの建設-」
 日時:2004年12月 5日(日) 13:00-17:00
 場所:有楽町朝日ホール
 備考:参加登録受付中
    http://www.nro.nao.ac.jp/alma/J/koenkai/041205/
◎天文講演会「ALMA計画(仮)」
 日時:2005年 2月13日(日)
 場所:西はりま天文公園
 備考:http://www.nhao.go.jp/nhao/lecture/2004.html

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