拡張バンド8受信機が基本設計審査を通過

アルマ望遠鏡に搭載されている10種類の受信機の一つであるバンド8をアップグレードする計画「拡張バンド受信機(Band 8v2)」の基本設計審査会が2026年4月22日から24日にかけて国立天文台三鷹キャンパスで開催され、無事に審査を通過しました。

国立天文台は、2030年代に向けてアルマ望遠鏡の性能を大幅に向上させる「アルマ2」計画を推進しています。この計画を通じて国際的に進めている広帯域感度アップグレード(WSU:Wideband Sensitivity Upgrade)の一環として、建設期に日本が開発したバンド8受信機(観測周波数:385-500GHz)について、同時観測可能な周波数帯域を4-18GHzまで広げるとともに受信機雑音温度を下げて高感度化を図るための設計・開発を、国立天文台が引き続き担当しています。

開発チームは、現在運用中のバンド8受信機の仕様と性能を再確認するとともに、受信機を構成する各部品の設計および実験検証を行い、さらなる性能向上の研究開発を進めてきました。これらの取組は、国内外の大学や研究機関、企業と連携して実施されています。この活動を元に、あらたに受信機に求められる高い科学要求を満たせる設計を提案し、専門家で構成される基本設計審査会にて審議しました。

Fig1

基本設計審査は、上記の科学要求から導かれる受信機システムの仕様と外部インターフェースの妥当性に加え、開発の進捗状況、設計の実現可能性、リスクなどを総合的に評価する重要なプロセスです。審査には国内外から受信機および各要素技術の専門家らが委員として参加し、技術面および開発推進上の課題について幅広い議論が行われました。さらに、審査に合わせて三鷹キャンパス内の実験室や、受信機の中核となる超伝導デバイスを製造するクリーンルームの見学も実施しました。見学では、実際の開発環境や評価システムを直接確認して頂きました。

Fig2

審査委員会からは、拡張バンド8受信機の基本設計について、設計の方針やインターフェースが適切に整理されていること、さらに主要な技術課題に対する実現可能性も十分に示されている点が高く評価されました。加えて、今後の開発に役立つ多くの助言が提示されました。拡張バンド8受信機の開発チームは、今回の基本設計審査で得られた評価と助言を踏まえ、次の詳細設計フェーズへ移行し、高性能な「アルマ2」の実現に向けて引き続き開発を進めていきます。

Fig3

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