2013. 6. 24

【 ALMA Mail Magazine 】 2013年6月24日号 ~アルマ望遠鏡による研究成果~

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2013年6月24日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array < http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/> ====================================================================
――― 国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月月齢16の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台が進めているアルマ計画の近況をお届けいたします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
アルマ通信
 6月19日 コラム “Bienvenido a ALMA!” 第16回を公開
PICK UP!
 5月31日 ダストに埋もれた銀河の”人口調査”
 6月 7日 アルマ望遠鏡が発見した彗星のゆりかご 
イベント情報
 6月29日 科学ショーユニバースでの講演@東京都 科学技術館
 6月30日まで プラネタリウム@足立区ギャラクシティ
 8月 3日 プラネタリウムでの講演会@倉敷科学センター
 8月10日 講座@朝日カルチャーセンター名古屋
 9月 1日まで THE世界一展@うめきたグランフロント大阪
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 6月19日 コラム “Bienvenido a ALMA!” 第16回を公開
アルマ望遠鏡プロジェクトに関わるスタッフのリレー連載、 “Bienvenido
a ALMA!” の新しいコラムを公開しました。第16回筆者の齋藤正雄 准教授
は現在チリに赴任し、科学観測を行うアルマ望遠鏡の第一線で活躍中です。
[コラム] アルマ運用開始!これからの銀河系内の観測結果を大予測!
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/column/Bienvenido/16.html
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 5月31日 ダストに埋もれた銀河の”人口調査”
京都大学大学院理学研究科の廿日出文洋研究員と太田耕司教授を中心とする
研究チームは、アルマ望遠鏡による観測から、これまでほとんどが正体不明
だった宇宙からのミリ波信号のおよそ80%の起源が微小な固体粒子(ダスト)
を豊富にもつ銀河だったと明らかにしました。
研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、くじら座の方向にある領域を観測し
ました。アルマ望遠鏡の高い感度と空間分解能を生かした観測の結果、これ
まで見つかっていなかった非常に暗い銀河を15個発見することに成功しまし
た。そしてミリ波帯で従来よりも約10倍暗い天体の個数密度を計測すること
に成功しました。その個数密度が銀河形成の理論予測とよく一致しているこ
とから、今回の観測では、これまで検出できなかった、より一般的な銀河に
近い種類の銀河を捉えていると考えられます。研究チームは、アルマ望遠鏡
やすばる望遠鏡を使って、さらに暗い銀河の観測を行うと共にその正体を更
に探り、銀河形成と進化の全体像を明らかにしたいと考えています。
[プレスリリース] ダストに埋もれた銀河の”人口調査”
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201305317116.html
◎ 6月 7日 アルマ望遠鏡が発見した彗星のゆりかご
オランダ・ライデン大学の研究者を中心とする国際研究チームは、アルマ
望遠鏡を使った観測で、若い星の周囲で星間微粒子が寄せ集められて大き
く成長していく場所を発見しました。このような星間微粒子が集まった領
域がこれほど明瞭に観測されたのは、今回が初めてのことです。
この発見は、原始惑星系円盤に含まれる星間微粒子がどのように合体成長
して彗星や惑星のような大きな天体ができたのか、という天文学の長年の
謎に答えを与えるものです。この研究成果は、2013年6月7日発行の米国
の科学雑誌「Science」に掲載されました。
[プレスリリース] アルマ望遠鏡が発見した彗星のゆりかご
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201306077125.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 6月29日「アルマ望遠鏡が電波で探る宇宙」
講演者:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
時間:14:00 – 14:40、15:30 – 16:10
場所:東京都千代田区 科学技術館
申込:不要
[詳細] 科学ライブショー ユニバース
http://universe.chimons.org/jsf/
◎ 6月30日まで プラネタリウム
 「アタカマ天文台だより」
日時:土日祝日に開催 (1)12:00- (2)15:00-
場所:東京都足立区 ギャラクシティ
[詳細] ギャラクシティ
http://www.galaxcity.jp/
◎ 8月 3日「動き出した世界最大の電波望遠鏡・アルマ望遠鏡の全貌」
開館20周年記念連続講演会”宇宙の今をさぐる”
会場:岡山県倉敷市 倉敷科学センター プラネタリウム
対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)
定員:各回 200名(先着順・参加申し込みはお電話で:086-454-0300)
参加費:無料
時間: 19:00 – 20:30
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
[詳細] 倉敷科学センター
http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/lifepark/ksc/index.html
◎ 8月10日 講座
「始動し出したアルマ望遠鏡 -天文学の新時代の扉が開かれる-」
講師:国立天文台教授・総合研究大学大学院教授 井口 聖
時間:15:30 – 17:30
場所:愛知県 朝日カルチャーセンター名古屋
申込み:必要
[詳細・申込] 朝日カルチャーセンター名古屋
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=211658&userflg=0
◎ 9月 1日まで THE世界一展 ~魅せますニッポンの技と人~
場所:大阪府 ナレッジキャピタル イベントラボ
  (うめきた・グランフロント大阪 The Lab. 1階入口)
時間: 11:00 – 20:00 (最終受付19:00)
展示協力:「地球の目をつくる」
[詳細] THE世界一展
http://the-sekai1.jp/
■詳しくは、アルマ望遠鏡ウェブサイトをご覧ください。
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/ (日本語)
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/e/ (英語)
■アルマ・メールマガジン バックナンバー
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/mailmagazine/
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 ■ あとがき ■
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今回は、2つの研究成果をご紹介しました。ひとつは、銀河についての研究
です。銀河がどのように生まれ、どのように進化してきたのかを知るには、
様々な銀河を観測することが必要です。非常に遠くにあって暗いためこれま
では観測できなかった銀河を、アルマ望遠鏡の解像力によって描き出すこと
に成功しました。
もうひとつは、星の周囲に存在する微粒子が成長していく過程に迫る発見で
す。これまでは、微粒子が衝突・合体して彗星や惑星の大きさにまで成長す
る過程はよくわかっていませんでしたが、今回のアルマ望遠鏡での観測の結
果、まさにその現場が捉えられました。
今回みつかった場所は、中心の星から遠いため地球のような惑星ではなく、
彗星がつくられるゆりかごである可能性が高いと考えられます。将来的には
アルマ望遠鏡の高い解像度を生かして、惑星のゆりかごをみつけることがで
きるかもしれません。
早くも次々と研究成果の出ているアルマ望遠鏡にこれからもご注目ください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
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