2013. 8. 22

【 ALMA Mail Magazine 】 2013年8月22日号 ~アルマ望遠鏡で迫る星誕生のドラマ~

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2013年8月22日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array < http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/>
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――― 国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台が進めているアルマ計画の近況をお届けいたします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
 7月25日 観測成果:爆発的星形成の終焉
アルマ通信
 8月 2日 故 森田耕一郎教授の名前が小惑星に
PICK UP!
 8月21日 観測成果:アルマ望遠鏡で迫る星誕生のドラマ
イベント情報
 8月24日 国立天文台野辺山 特別公開
 8月27日 トークライブ「宇宙への究極の挑戦」@大阪府 ナレッジキャピタル
 9月 1日まで THE世界一展@うめきたグランフロント大阪
 9月16日 講演会@相模原市立博物館
 9月16日 講演会@静岡科学館る・く・る
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 ■ 最新情報 ■
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◎ 7月25日 観測成果:爆発的星形成の終焉
非常に激しく星を作っている銀河を「爆発的星形成銀河(スターバースト銀河)」
と呼びます。スターバースト銀河では、比較的短期間に猛烈な勢いで星を作った
後、突然星形成が終わってしまうことがわかっています。ただ、どのようにして
星形成が終わるのかは、観測的にははっきりとしませんでした。
アメリカの研究者を中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡で、スターバースト
銀河の一つを非常に詳しく観測しました。その結果、爆発的星形成活動によって、
次世代の星の材料となるガスが、銀河の外にまで吹き飛ばされることがわかりま
した。つまりスターバースト銀河は、爆発的星形成によって、自らの手でその活
動に幕を引いていたのです。
[最新情報] 観測成果:爆発的星形成の終焉
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/0725post_505.html
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 8月 2日 故 森田耕一郎教授の名前が小惑星に
7月22日、国際天文学連合小惑星センターは、小惑星1995 WG5にKohichiro と命名
したことを発表しました。野辺山ミリ波干渉計、アルマ望遠鏡モリタアレイの設
計や開発に尽力した、故 森田耕一郎国立天文台教授の功績を称えての命名です。
この小惑星は、北海道の円舘金さん、渡辺和郎さんによって1995年11月18日に発
見されたもので、1995 WG5 という仮の名前がついていました。小惑星Kohichiro
は火星と木星の間にある小惑星帯に属する小惑星で、現在うお座の方向にあり、
およそ18等の明るさで光っています。大きさは、およそ7kmと推定されています。
[アルマ通信] 故 森田耕一郎教授の名前が小惑星に
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/0802post_506.html
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 8月21日 観測成果:アルマ望遠鏡で迫る星誕生のドラマ
アルマ望遠鏡が、またひとつ素晴らしい観測画像をとどけてくれました。
今回観測対象になったのは、ほ座の暗黒星雲の縁にある、生まれたばかりの星。
星々を背景に浮かぶ暗黒星雲の中でガスが集まって星が生まれていますが、生ま
れたばかりの星は集まってくるガスの一部を産声のように宇宙空間に噴き出しま
す。今回観測されたガスの流れ「ハービッグ・ハロー46/47」は、そんな星の産声
のひとつです。これまでもこのようなガスの流れがあることは知られていましたが、
暗黒星雲の向こう側に噴き出しているために可視光では見えていなかったガスを、
アルマ望遠鏡ははっきりとらえました。太陽も、46億年前はこんな姿をしていた
かもしれません。
[最新情報] 観測成果:アルマ望遠鏡で迫る星誕生のドラマ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/0821post_507.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 8月24日 国立天文台野辺山 特別公開
会場:国立天文台野辺山宇宙電波観測所 (長野県南佐久郡南牧村)
時間:9:30 – 16:00(入場受付は15:30まで)
内容:ポスター展示、映像展示、講演会など
[詳細] 国立天文台野辺山 特別公開2013
http://www.nro.nao.ac.jp/visit/open2013/open2013_top.html
◎ 8月27日 トークライブ「宇宙への究極の挑戦 ALMA望遠鏡~超高解像度のヒミツ~」
THE世界一展 すごい!ステージ トークライブ
講師: 平松正顕(国立天文台チリ観測所助教)
場所:大阪府 ナレッジキャピタル イベントラボ
時間: 13:00- / 15:00-
[詳細] THE世界一展:8/27のすごい!ステージ
http://the-sekai1.jp/stageschedule/?sdate=20130827
◎ 9月 1日まで THE世界一展 ~魅せますニッポンの技と人~
場所:大阪府 ナレッジキャピタル イベントラボ
  (うめきた・グランフロント大阪 The Lab. 1階入口)
時間: 11:00 – 20:00 (最終受付19:00)
展示協力:「地球の目をつくる」
[詳細] THE世界一展
http://the-sekai1.jp/
◎ 9月16日「アンデスの巨大望遠鏡ALMAで探る星と銀河の誕生」
さがみはら宇宙の日 講演会
講師: 阪本成一(JAXA宇宙科学研究所教授/国立天文台チリ観測所客員教授)
場所:神奈川県 相模原市立博物館 大会議室
時間: 14:00 – 16:00
参加費:無料
[詳細] 相模原市立博物館イベント案内詳細
http://www.remus.dti.ne.jp/~sagami/40-02event-shousai05.htm
◎ 9月16日「世界最大の電波望遠鏡 ALMAで見る宇宙最新情報」
講師: 水野範和(国立天文台チリ観測所准教授)
会場:静岡県 静岡科学館 る・く・る 8階 創作ルーム
時間: 13:30 – 15:30
定員:30名
申込方法:8月24日(土) 9:30~ 電話申込(申込順)
会費:参加無料(但し、15歳以上は入館料500円がかかります。
        事前申込の学生は入館料が免除になります。)
[詳細] 静岡科学館 る・く・る:ふろむ るくる
https://alma-telescope.jp/assets/uploads/sites/www.sf-shizuoka.com/files/kikannshi39.pdf
■詳しくは、アルマ望遠鏡ウェブサイトをご覧ください。
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/ (日本語)
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/e/ (英語)
■アルマ・メールマガジン バックナンバー
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/mailmagazine/
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 ■ あとがき ■
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今月も、アルマ望遠鏡の素晴らしい観測成果をふたつお届けすることができ
ました。「これまでの電波望遠鏡に比べて圧倒的に高い感度と解像度を持つ
望遠鏡がアルマです。」といろいろなところで説明していますが、観測結果
を見るとその差は歴然。まさに百聞は一見にしかず、です。研究者自身も、
早くアルマで観測した結果を見たい、宇宙の謎を解くヒントをそこに探した
い、と熱望しています。
しかし観測してから成果を出すまでには、時間がかかります。可視光望遠鏡
の場合とは違って、観測しているその場で画像を見ることができるわけでは
ありません。望遠鏡を動かしているコントロールルームでリアルタイムに
見ることができるのは、望遠鏡がきちんと動いているかどうかを示すグラフ
のようなものだけ。観測が終わったら、これまたグラフを見ながらデータに
混じっている不要なノイズを取り除き、電波の強度を較正し、さまざまな
処理を経てようやく天体画像の合成にたどり着くことができます。そうして
合成された画像から、どんな事実を見出すか、謎にどこまで迫れるか。そこ
は研究者の腕の見せ所です。ひとつの観測成果で謎が100%解けるということ
は、ほとんどありません。じっくり一歩一歩、真実に迫っていくのです。
これからもアルマ望遠鏡の観測成果は続々と発表されていきます。その研究
成果の面白さにご注目いただきたいのはもちろんですが、その裏で奮闘した
研究者たちの姿にも思いをはせてみてください。アルマ望遠鏡は、人類全体
の望遠鏡です。人間の目で直接のぞくことはできませんが、その観測成果を
通して研究者と一緒に宇宙を眺めてみると、一味違った楽しみが得られる
かもしれません。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
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