アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2013年9月20日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array
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――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
アルマ通信
8月24日 国立天文台野辺山特別公開
9月 5日 チリ科学技術研究委員会委員長の三鷹訪問
9月 9日 アルマ望遠鏡のストライキ終了、通常観測再開へ
PICK UP!
9月 2日 アルマ望遠鏡による中性炭素原子輝線の初観測
イベント情報
10月 5日 天文講演会「アルマ望遠鏡が挑む、星・惑星誕生の謎」@長野県 上田創造館
10月18日 – 19日 三鷹・星と宇宙の日2013 国立天文台三鷹地区特別公開
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■ アルマ通信 ■
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◎ 8月24日 国立天文台野辺山特別公開
8月24日(土)、野辺山宇宙電波観測所・太陽電波観測所(長野県野辺山)の特別公
開が開催されました。国立天文台チリ観測所は、チリにあるアルマ(ALMA)・アス
テ(ASTE)の2つの望遠鏡に関する展示を行いました。
前日夜半までの雨で天候が心配される中、当日は時折青空も見える心地よい一日と
なり、総来場者数は2735名となりました。アルマ・アステエリアも、用意したALMA
グッズがなくなってしまうほどの盛況でした。
[アルマ通信] 国立天文台野辺山特別公開
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/0826post_508.html
◎ 9月5日 チリ科学技術研究委員会委員長の三鷹訪問
9月5日、チリ国内で科学技術研究の予算を配分する科学技術研究委員会(CONICYT)
のホセ・ミゲル・アギレラ・ラディック委員長他5名が国立天文台三鷹キャンパスを
訪問され、先端技術センターとALMA棟、4次元デジタル宇宙シアター等の施設を
見学されました。
一行は、先端技術センター メカニカル・エンジニアリングショップでの高精度金属
加工の様子や、アルマ望遠鏡受信機の心臓部に使われる微細な超伝導素子を見学され、
装置の動作の仕組みや加工精度などについて質問をされるなど、強い印象を持たれた
ようです。
[アルマ通信] チリ科学技術研究委員会委員長の三鷹訪問
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/0916post_511.html
◎ 9月 9日 アルマ望遠鏡のストライキ終了、通常観測再開へ
17日間行われたアルマ望遠鏡現地雇用職員組合によるストライキは終了し、9月9
日から通常観測再開の準備が始まりました。
合同アルマ観測所のピエール・コックス所長は、「雇用側と職員組合が合意に達し
たことに安堵しています。これにより、世界最大の電波望遠鏡プロジェクトを再開
させることができ、素晴らしい観測成果を出し続けることができます。」とコメント
しています。
今回の合意により、世界第一線の観測施設の実現に尽力してきたチームの結束を強
め、アルマ望遠鏡による科学観測が再開されることになります。
[アルマ通信] アルマ望遠鏡のストライキ終了、通常観測再開へ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/0909post_509.html
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■ PICK UP! ■
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◎ 9月 2日 アルマ望遠鏡による中性炭素原子輝線の初観測
2013年4月に行われたアルマ望遠鏡による試験観測で、日本が開発したサブミリ波
(周波数500GHz帯を観測する「バンド8」)受信機を用いた初めての電波画像取得に
成功しました。観測対象は惑星状星雲 NGC6302で、中心の星のまわりに広がる
炭素原子が放つ492 GHzの電波を捉えました。電波干渉計によってこの周波数の
電波画像が取得されたのは今回が初めてであり、アルマ望遠鏡によって高解像度
観測の扉が開かれたといえるでしょう。
バンド8受信機を使って観測が可能な周波数帯にはさまざまな原子・分子が放つ電波
が含まれます。そのなかでも特に多くの天文学者が期待を寄せているのは、炭素原
子の観測です。炭素原子が放つ電波を観測することで、宇宙空間にただようガスの
性質や進化の過程・化学反応の様子を調べることができます。バンド8受信機を搭載
したアルマ望遠鏡を使えば、これまでの観測に比べて数百倍の解像度が達成できる
ため、惑星状星雲や原始星の周囲の炭素原子の分布を飛躍的に詳しく調べることが
可能になります。
[最新情報] アルマ望遠鏡による中性炭素原子輝線の初観測:500 GHz帯での世界初
の電波干渉計画像を取得
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/0902500ghz.html
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■ イベント情報 ■
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◎ 10月 5日(土) 「アルマ望遠鏡が挑む、星・惑星誕生の謎」
第 17 回星に親しむ夕べ 天文講演会
会場:長野県上田市 上田創造館4F プラネタリウム室
参加無料
時間: 19:00~ (開場 18:30~)
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
[詳細] 上田創造館だより 10月号(PDF)
https://alma-telescope.jp/assets/uploads/sites/www.area.ueda.nagano.jp/sozokan/event/2013/201310.pdf
◎ 10月18日(金) – 19日(土)
三鷹・星と宇宙の日2013 国立天文台三鷹地区特別公開
場所:東京都 三鷹市
内容:ALMA棟でのミニ講演会、ポスター展示など
国立天文台講演会
「アルマで解き明かす銀河進化の謎」
講演者:伊王野大介(国立天文台チリ観測所 准教授)
「アルマで迫る惑星誕生の現場」
講演者:大橋永芳(国立天文台ハワイ観測所 教授)
[詳細] 三鷹・星と宇宙の日2013
http://www.nao.ac.jp/open-day/2013/
■詳しくは、アルマ望遠鏡ウェブサイトをご覧ください。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/ (日本語)
http://alma.mtk.nao.ac.jp/e/ (英語)
■アルマ・メールマガジン バックナンバー
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/mailmagazine/
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■ あとがき ■
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記録的酷暑もようやく和らぎ、天高い秋がやってきました。昨日は
中秋の名月を眺めることのできた方も多かったことと思います。
昇ってきてすぐの月を見て印象的なのは、黄色い「色」でしょう。空高くに
ある月は白っぽく見えますが、低い位置にある月は黄色く見えます。これは
夕焼けと同じ原理で、地球大気中に含まれる微粒子が月の光に含まれる青い
光を散乱してしまうため、黄色っぽい色に見えるのです。月が低い位置にある
ときのほうが、光が通過する地球大気の道のりが長いので、この効果が強く
表れます。
一方アルマ望遠鏡のあるアタカマ地方では、空気が澄んでいるために、空の
低いところにある月も黄色くならず、真っ白に輝いて見えます。もちろん満月
だけでなく、三日月でさえも白くまぶしく輝きます。現地で車を運転している
ときに、すごく明るいものが視界に入ってきたと思ったら三日月だった、という
体験をしたことがありますが、現地の観測条件の良さが実感できる体験と言える
でしょう。
そんなアタカマまで行くのはたいへんですが、アルマ望遠鏡を少し身近に
感じていただけるイベントが、10月18日19日に開催される「三鷹 星と宇宙の日」
です。今年のメインテーマにはアルマ望遠鏡が選ばれており、アルマ望遠鏡を
使って研究を進めている2人の研究者の講演もあります。三鷹の森で宇宙を感じる
ひと時を、ぜひお楽しみください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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