2015. 1. 6

【ALMA Mail Magazine】2015年1月6日号 アルマ望遠鏡国際研究会、東京で開催

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2015年1月6日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array
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--- 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ---
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
 12月15日 太陽系の歴史を振り返る:若い星HD107146の塵円盤の観測
アルマ通信
 12月24日 アルマ望遠鏡アンテナのフォーメーションダンス
PICK UP!
 12月12日 アルマ望遠鏡国際研究会、東京で開催
イベント情報
 2014年10月24日~2015年2月1日 21_21 DESIGN SIGHT「活動のデザイン展」
 2015年1月10日 21_21 DESIGN SIGHT「ALMA MUSIC BOX」特別鑑賞会付きギャラリーツアー
 2014年10月28日~2015年2月22日 国立科学博物館「ヒカリ展」
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 ■ 最新情報 ■
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◎ 12月15日 太陽系の歴史を振り返る:若い星HD107146の塵円盤の観測
米国ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのルカ・リッチ氏が率いる研究チーム
は、アルマ望遠鏡を用いて年齢およそ1億歳の若い星HD 107146を取り巻く塵の円盤(デブリ
円盤)を観測しました。その結果、円盤の外縁部にミリメートルサイズの塵が大量に存在し
ていることを発見しました。その場所は中心星から130億km(太陽から海王星までの距離の
約3倍)にも達します。この塵は、小さな天体が衝突して冥王星サイズの天体(微惑星)が
作られる際にまき散らされたものではないかと研究グループは考えています。
若い星の周囲に見られるデブリ円盤は、惑星形成の名残と考えられています。デブリ円盤を
構成する塵は、彗星や小惑星などの小さな天体が継続的に衝突・破壊されることで作られま
す。一方、惑星形成が完了した太陽系のような惑星系では、デブリ円盤ほど多くの塵は存在
していません。このあいだの期間、つまり惑星系が進化していく間には、円盤の外縁部に塵
が濃集するという理論予測がありました。今回のアルマ望遠鏡による観測では、まさにこの
塵が写しだされました。
[最新情報] 太陽系の歴史を振り返る:若い星HD107146の塵円盤の観測
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2014/1215_hd107146.html
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 12月24日 アルマ望遠鏡アンテナのフォーメーションダンス
2009年9月のアンテナ1号機(日本製)のアルマ望遠鏡山頂施設(標高5000m)到着を皮切り
に、2014年までに全てのアンテナが山頂施設に運ばれ、そして山頂施設の中で幾度となく配
置換えをしてきました。そのアンテナ移動の履歴を、フランス国立情報学自動制御研究所
INRIAとの協力により、1分間の動画にまとめました。どんどんアンテナ数が増えていく様子
や、山頂施設内で大きく広がったり小さくまとまったりするようすがよくわかります。
[アルマ通信] 12月24日 アルマ望遠鏡アンテナのフォーメーションダンス
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2014/1224post_579.html
この記事の動画はyoutubeでご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=-UcrXSs39U0
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 12月12日 アルマ望遠鏡国際研究会、東京で開催
アルマ望遠鏡による観測成果を議論する国際研究会『Revolution in Astronomy with ALMA
-The 3rd Year-』が、2014年12月8日から11日まで東京国際フォーラムで開催されました。
世界中からおよそ300名の研究者が集まり、アルマ望遠鏡が取得した最新のデータをもとに
活発な議論が展開されました。
研究会前日の12月7日(日)には、東京国際交流館で国立天文台講演会『クール・ユニバー
ス ~アルマ望遠鏡でたどる私たちのルーツ』を開催しました。長谷川哲夫 国立天文台チ
リ観測所長、エヴィン・ヴァン・ディショック ライデン大学/マックスプランク地球外物理
研究所 教授、福井康雄 名古屋大学教授が、およそ200名の来場者に向けてアルマ望遠鏡の
最新情報や最新成果を紹介しました。
[アルマ通信] 12月12日 アルマ望遠鏡国際研究会、東京で開催
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2014/1212post_578.html
国立天文台講演会の録画映像は、Youtubeでご覧いただけます。
(前半) https://www.youtube.com/watch?v=04D8Ydyz5z8
(後半) https://www.youtube.com/watch?v=LG5lT_p_9YU
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 2014年10月24日~2015年2月1日 21_21 DESIGN SIGHT「活動のデザイン展」
場所:21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区)
内容:アルマ望遠鏡で取得したデータを音楽に変換した作品
 「ALMA MUSIC BOX」を展示
[詳細] 活動のデザイン展
http://www.2121designsight.jp/program/fab_mind/
◎ 2015年1月10日 21_21 DESIGN SIGHT「ALMA MUSIC BOX」特別鑑賞会付きギャラリーツアー
場所:21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区)
内容:アルマ望遠鏡で取得したデータを音楽に変換した作品
 「ALMA MUSIC BOX」の鑑賞会と他作品のギャラリーツアー
[詳細] 活動のデザイン展
http://www.2121designsight.jp/program/fab_mind/events/150110.html
◎ 2014年10月28日~2015年2月22日 国立科学博物館「ヒカリ展」
場所:国立科学博物館(東京都台東区)
内容:アルマ望遠鏡アンテナ模型・受信機の展示など
[詳細] 特別展「ヒカリ展-光のふしぎ、未知の輝きに迫る!」
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/hikari/index.html
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 ■ あとがき ■
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2015年最初のアルマ望遠鏡メールマガジンをお届けしました。
2014年は、6月に66台目の(最後の)アンテナが標高5000mの山頂施設に設置され、11月
には「視力2000」での惑星形成現場の撮影に成功するなど、アルマ望遠鏡がついにその
本領を発揮し始めた年となりました。観測成果プレスリリースもほぼ2カ月に1度のペース
で行い、星や惑星の誕生の様子から宇宙最大級の爆発現象「ガンマ線バースト」が起きた
銀河の観測成果まで、幅広い分野での研究の進展をお知らせしてきました。
PICK UP! のコーナーで取り上げた国際研究会は、そんなアルマ望遠鏡のホットな現状を
反映して、研究会の名前通り「天文学における革命」を感じさせるものでした。データ
が手元に来た時にあまりの素晴らしさに飛び跳ねたという研究者、当初まったく意図しな
かった発見に喜びながら頭を悩ませる研究者など、天文学が次の一歩を踏み出したという
印象が確かに感じられる、とてもエキサイティングな研究会でした。ここで発表された
さまざまな研究成果をもとにして、じゃあ次は自分はどんな観測を提案するのか、と今
世界中で研究者が検討を重ねています。次の観測シーズン(サイクル3)は今年10月に開始
される予定で、そのための観測提案は4月に締め切られます。10kmまでアンテナを展開した
超高解像度観測も、最高周波数帯バンド10での本格的な観測も可能になるサイクル3からは、
どんな成果が出てくるのでしょうか。アルマ望遠鏡による天文学における革命は、まだまだ
続きます。2015年も、アルマ望遠鏡にどうぞご注目ください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
Copyright(C) 2015 Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
All rights reserved.
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