2014. 12. 8

【ALMA Mail Magazine】 2014年12月8日号  双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2014年12月8日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array
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――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
 11月27日 アルマ望遠鏡が描き出した、老齢の星ミラを取り囲む雲
アルマ通信
 11月14日 ALMA/ASTE/Mopra ユーザーズミーティング開催
PICK UP!
 12月 4日 双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き
イベント情報
 10月24日~2015年2月1日 21_21 DESIGN SIGHT「活動のデザイン展」
 10月28日~2015年2月22日 国立科学博物館「ヒカリ展」
 12月14日 お茶の水女子大学理学部主催第2回 宇宙講演会
 12月20日 愛媛大学宇宙進化研究センター講演会
  「アルマ望遠鏡,ついに始動!―アルマによって明らかにされる宇宙―」
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 ■ 最新情報 ■
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◎ 11月27日 アルマ望遠鏡が描き出した、老齢の星ミラを取り囲む雲
年老いた星・赤色巨星を研究することで、私たちは太陽の未来を知ることが
できます。そして太陽よりも前の世代の星が、生命に必要な元素をどのように
宇宙にばらまいてきたのかも知ることができます。最も有名な赤色巨星の一つで
あるくじら座のミラを、今回アルマ望遠鏡が観測しました。ミラは年老いた星と
一生を終えた後の星が互いを回りあう連星で、今回の観測によって、2つの星から
の恒星風が美しく複雑な星雲を作り出していることが明らかになりました。この
観測には、日本が開発したモリタアレイ(アタカマコンパクトアレイ:ACA)も
大きく貢献しています。
[最新情報] アルマ望遠鏡が描き出した、老齢の星ミラを取り囲む雲
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2014/1127post_575.html
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 11月14日 ALMA/ASTE/Mopra ユーザーズミーティング開催
10月27日~29日に、国立天文台チリ観測所が運用するアルマ望遠鏡・アステ
望遠鏡・Mopra望遠鏡のユーザーズミーティングを、国立天文台三鷹キャン
パスで開催しました。アルマ望遠鏡の東アジア地域のパートナーである台湾・
韓国からの参加も含め84名の研究者が参加しました。ユーザーズミーティング
は、望遠鏡の現状や最新情報を研究者と共有し今後のより良い望遠鏡運用の
ための議論を行ったり、最新の研究成果を発表して議論を行ったりするため
の場で、毎年1回開催しています。
[アルマ通信] ALMA/ASTE/Mopra ユーザーズミーティング開催
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2014/1114almaastemopra.html
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 12月 4日 双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き
台湾中央研究院天文及天文物理研究所の高桑繁久 副研究員が率いる研究チーム
は、アルマ望遠鏡を用いておうし座にある生まれたばかりの双子星(原始連星)
L1551 NEを観測しました。その結果、ふたつの星を取り囲むガスの円盤(周連星
円盤)を発見しました。また研究チームは、国立天文台のスーパーコンピュータ
「アテルイ」を使ってこの円盤に含まれるガスの分布や運動をシミュレーション
しました。その結果と観測データと比較することで、この円盤は単純な環ではなく、
円盤から中心のふたつの星に向かって渦巻き腕が伸びていることがわかりました。
さらに円盤からふたつの星に向かってガスが流れ込んでいることもわかりました。
原始連星が円盤を揺さぶり、円盤のガスが連星に落下し始めている様子を世界で
初めてとらえたことになります。宇宙に数多く存在する双子の星の誕生と成長の
様子に迫る、重要な観測成果です。
[最新情報] 双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2014/1204post_577.html
[プレスリリース] 双子の赤ちゃん星を育むガスの渦巻き
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201412047486.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 10月24日~2015年2月1日 21_21 DESIGN SIGHT「活動のデザイン展」
場所:21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区)
内容:アルマ望遠鏡で取得したデータを音楽に変換した作品を展示
[詳細] 活動のデザイン展
http://www.2121designsight.jp/program/fab_mind/
◎ 10月28日~2015年2月22日 国立科学博物館「ヒカリ展」
場所:国立科学博物館(東京都台東区)
内容:アルマ望遠鏡アンテナ模型・受信機の展示など
[詳細] 特別展「ヒカリ展―光のふしぎ、未知の輝きに迫る!」
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/hikari/index.html
◎ 12月14日 お茶の水女子大学理学部主催 第2回 宇宙講演会
~子どもから大人まで宇宙に夢中!~
『アンデスの巨大電波望遠鏡「ALMA」』
講演者:阪本成一(国立天文台チリ観測所教授)
時間:14:05~15:00
会場:お茶の水女子大学 徽音堂(講堂)
[詳細] お茶の水女子大学
http://www.ocha.ac.jp/event/20141107_1.html
◎ 12月20日 愛媛大学宇宙進化研究センター講演会
「アルマ望遠鏡,ついに始動!―アルマによって明らかにされる宇宙―」
講演者:井口 聖(国立天文台電波研究部主任・国立天文台チリ観測所教授)
時間:14:00~15:30
会場:愛媛大学南加記念ホール
対象:どなたでもご参加いただけます。(参加費無料・事前申込不要)
[詳細] 愛媛大学
http://www.ehime-u.ac.jp/news_topics/detail.html?new_rec=12207
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 ■ あとがき ■
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およそ2年に1度の頻度で開催されるアルマ望遠鏡の国際研究会が、今日から
東京で始まりました。世界中から300名ほどの研究者が集まり、これまで
手にしたアルマ望遠鏡データとそれを解析して得られた成果を発表して
います。これまでプレスリリースや最新情報で紹介してきた渦巻き星
ちょうこくしつ座R星やおうし座HL星の原始惑星系円盤などについても、
研究者がより詳細な議論を展開し、活発な質疑応答が行われていました。
前回の国際研究会はチリで開催されましたが、その時に比べて多くの
研究者がより画期的なデータを手にしていて、研究発表もたいへん迫力が
ありました。今後も面白い成果をプレスリリースで発表できると思うと、
広報担当としても研究者としてもとてもワクワクしています。今後とも
ぜひアルマ望遠鏡ウェブサイトやtwitterにご注目ください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
Copyright(C) 2014 Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
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