2014. 6. 14

【ALMA Mail Magazine】 2014年6月14日号 ~塵の向こうの巨大爆発:アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2014年6月14日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array
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――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
アルマ通信
  5月16日 日本地球惑星科学連合2014年大会にブース出展
  6月11日 グーグルストリートビューにアルマ望遠鏡登場
PICK UP!
  6月12日 アルマ望遠鏡観測成果:
  塵の向こうの巨大爆発:アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境
イベント情報
  8月23日 国立天文台野辺山 特別公開
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 5月16日 日本地球惑星科学連合2014年大会にブース出展
4月28日から5月2日まで、パシフィコ横浜で開催された日本地球惑星科学
連合2014年大会に、国立天文台チリ観測所 アルマ望遠鏡ブースを出展
しました。
アルマ望遠鏡計画の進捗や最新情報を紹介するとともに、惑星科学の研究
者にもアルマ望遠鏡を有効に使ってもらうための情報提供を行いました。
惑星科学におけるアルマ望遠鏡の威力を知ってもらうために、アルマ望遠鏡
データアーカイブで公開されている金星や土星の観測データを解析した画像
も掲載しました。ニュース報道などでアルマ望遠鏡をご存知の方、あるいは
アルマ望遠鏡建設地の写真を見て地学的興味からブースにいらっしゃる方も
あり、解説担当スタッフがさまざまな質問に答えました。
[アルマ通信] 日本地球惑星科学連合2014年大会にブース出展
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2014/05162014_1.html
◎6月11日 グーグルストリートビューにアルマ望遠鏡登場
世界最大の電波望遠鏡プロジェクトであるアルマ望遠鏡が、グーグルスト
リートビューに登場しました。迫力あるアンテナ群の360度パノラマ写真を、
グーグルマップでご覧いただけます。
ストリートビューの撮影隊は、撮影のための特殊なバックパックをアルマ
望遠鏡施設に持ち込みました。そのバックパックには15個の広角カメラと
2台のコンピュータが詰め込まれており、8時間連続撮影が可能なバッテリー
も搭載されていました。撮影隊は、コントロールルームなどのある山麓
施設(標高2900m)とアンテナが立ち並ぶ山頂施設(標高5000m)でこの
バックパックを使って雄大な風景を写真に収めていきました。
[アルマ通信] グーグルストリートビューにアルマ望遠鏡登場
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2014/0611post_542.html
[関連リンク] グーグルストリートビュー
アルマ望遠鏡 山頂施設(日本が担当したモリタアレイ前)
http://goo.gl/maps/ZolnF
アルマ望遠鏡 山麓施設(試験中のアンテナと技術棟)
http://goo.gl/maps/VS8Zm
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 6月12日 アルマ望遠鏡観測成果:
  塵の向こうの巨大爆発:アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境
アルマ望遠鏡によって、宇宙最大級の爆発現象「ガンマ線バースト」が
発生した銀河に、世界で初めて分子ガスからの電波が検出されました。
さらに今回観測したガンマ線バーストが、驚くほど塵の多い環境で発生
したこともわかりました。
国立天文台チリ観測所特任助教の廿日出文洋氏が率いる研究チームは、
ガンマ線バーストGRB 020819B(距離は約43億光年)とGRB 051022(距離は
約69億光年)が属する2つの銀河をアルマ望遠鏡で観測しました。これまで
ガンマ線バーストが発生した銀河で分子ガスからの電波が検出されたこと
はありません。今回、高感度を誇るアルマ望遠鏡によって世界で初めて
検出に成功しました。
またアルマ望遠鏡の高い解像度(視力)により、GRB 020819Bが属する
銀河では分子ガスと塵の分布が大きく異なることがわかりました。分子
ガスは銀河の中心に多く分布しており、塵はガンマ線バーストが発生した
場所に多く存在していたのです。そしてガンマ線バーストが発生した場所
では、分子ガスに対する塵の量が通常の環境よりも10倍以上多くなって
いました。ガンマ線バーストが発生した銀河における分子ガスと塵の空間
分布を明らかにしたのも本研究が初めてです。
[プレスリリース] 塵の向こうの巨大爆発:
 アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201406127364.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 8月23日 国立天文台野辺山 特別公開
会場:国立天文台野辺山宇宙電波観測所 (長野県南佐久郡南牧村)
時間:9:30 – 16:00(入場は15:30まで)
内容:ポスター展示、映像展示、講演会など
[詳細] 国立天文台野辺山 特別公開2014
http://www.nro.nao.ac.jp/visit/open2014/open2014_top.html
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 ■ あとがき ■
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アルマ通信でお知らせしたとおり、チリのアルマ望遠鏡施設がグーグル
ストリートビューでご覧いただけるようになりました。テレビ番組等で
何度か山頂施設の様子はお届けしていますが、やはり自分の行きたい
方向に進んだりあたりを見渡したりできるというのは、臨場感があって
いいですね。アンテナとその前に立っている人との大きさを比べていた
だけると、アルマの説明でよく出てくる「直径12mアンテナ」がいかに
巨大かも感じ取っていただけると思います。
今回のストリートビューでは、写真が掲載されているのは山頂施設中央
部のアンテナがあるところと山麓施設技術棟周辺だけとなっており、東京
の山手線内に匹敵する広さの山頂施設の全域や、30kmの道のりがある山麓
施設・山頂施設間の道路のようすは見ることができません。ストリート
ビューは、普通の街での撮影は専用の車で行うようですが、アルマの施設
ではスタッフがカメラをはじめとした機材を背負っての撮影となりました。
酸素ボンベを持っていたとしても、酸素が半分しかない場所で歩き回る
には限度があります。まだストリートビューに掲載されていない箇所の
写真は、アルマ望遠鏡ウェブサイトのマルチメディアのページ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/multimedia/picture/
でご紹介していますので、こちらでお楽しみください。
またアルマ望遠鏡プロジェクトでは、参加機関の広報担当者が協力して
twitterとfacebookアカウントの運用を開始しました。
https://twitter.com/almaobs
https://www.facebook.com/pages/ALMA-Observatory/114210958590019
これらは英語での運用になりますが、現地からよりフレッシュな写真を
多数お届けする予定です。日本語でもこれまで通りtwitter等での情報
発信を続けていきますので、あわせてお楽しみください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
Copyright(C) 2014 Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
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