ACAトータルパワーアレイ向け分光計の基本設計審査会

2017年2月20日と21日の2日間、韓国天文宇宙科学研究院(KASI)にて、アルマ望遠鏡アタカマコンパクトアレイ・トータルパワーアレイ向け分光計の基本設計審査会が開催されました。日本や韓国のほか欧米からの参加者を合わせて約20名の研究者と技術者が集まり、分光器の開発状況を審査しました。

ACA Spectrometer PDR

審査会のようす
credit: KASI

アルマ望遠鏡のアンテナ66台のうち16台が、日本が開発した「アタカマコンパクトアレイ」(Atacama Compact Array: ACA、愛称「モリタアレイ」)のアンテナです。ACAは12台の7mアンテナと4台の12mアンテナからなります。4台の12mアンテナはトータルパワーアレイとも呼ばれ、天体からやってくる電波の強度(パワー)を精密に測定する目的に特化したアンテナ群です。

アルマ望遠鏡やACAはすでに科学観測に使用されていますが、今後もアルマ望遠鏡が第一線の成果を挙げ続けるために、性能向上のための開発計画が進められています。そのうちのひとつが、韓国が主に担当するトータルパワーアレイ向け分光計です。処理速度の速いGPUを使ったデジタル分光計で、既存のものよりも高い感度と精度を実現できます。

審査会では、新分光計を使って達成されるべき科学的目標と技術目標が紹介され、その後ハードウェアやソフトウェアの設計と開発の現状、スケジュールや改善点などが議論されました。審査委員は開発の着実な進展を高く評価し、このまま開発を続けることが認められました。

ACA Spectrometer PDR

審査会に参加した面々。
Credit: KASI

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