アルマ望遠鏡プロジェクトが、チリの経済団体ICARE (Instituto Chileno de Administración Racional de Empresas) からチリの経済発展に貢献したとして表彰を受けました。表彰式は、チリの首都サンティアゴのラスコンデス区立劇場で9月25日に行われ、国立天文台からは阪本成一 チリ観測所長が出席しました。
ICAREのJuan Benavides会長は、アルマ望遠鏡はチリを誇りで満たしてくれたと語り、アルマ望遠鏡プロジェクトを推進する3つの国際パートナー:米国立電波天文台、欧州南天天文台、そして日本の国立天文台の貢献をたたえました。「アルマ望遠鏡が果たした人類への第一の貢献は、共通の目的のもとで、政治的な立場や言語、文化の違いを超えて私たちが力を合わせることができるということを力強く証明してくれたことです。第二の貢献は、単独で巨大プロジェクトに挑むことは困難だが、多くの人が努力を積み重ねることで実現できるということを示したことです。」とBenavides会長は述べています。
合同アルマ観測所で所長代行を務めるスチュアート・コーダー氏は、ICAREを通してチリ経済界がアルマ望遠鏡プロジェクトを高く評価したことに感謝の意を述べ、「アルマ望遠鏡の成功は、国際協力と異なる分野の多くの人の協力があってこそです。チリはより強力に発展する機会をつかむことができるでしょう。」とあいさつしました。
米国立電波天文台を運営する米国北東部大学連合の在チリ代表を務めるパウリーナ・ボカズ氏は、「国と国民が科学に投資すれば、既存の限界を超えることができます。偉大な事業を成し遂げるために、科学は社会のすべての皆さんからの支持を必要としています。」と受賞記念スピーチの中で述べました。