アルマ望遠鏡の開発に関する学会発表において、エレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞を受賞

先端技術センターの増井翔研究員(発表当時、同センター特別共同利用研究員および大阪府立大学 博士後期課程3年)が、2023年電子情報通信学会(IEICE)ソサイエティ大会にてエレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞を受賞しました。エレクトロニクスソサエティ学生奨励賞は、エレクトロニクス分野に関する優秀な発表を行った学生に対して贈られる賞です。
今回の受賞は、増井研究員が3月の総合大会で発表した内容が評価されたもので、ミリ波受信機で使用される導波管回路の通過損失等を極低温下(約4ケルビン)で高精度に測定した結果について発表しました。導波管回路の特性が受信機の性能に与える影響は大きく、特に広帯域な受信機になるほど、その影響が大きいことが考えられていました。そのため冷却下での導波管回路の特性を理解することは重要でしたが、熱の侵入を防ぐケーブルなどの付属物の影響により正確に測定された例が多くありませんでした。増井研究員が参加するチームは、測定系の再現性の向上や2面キャリブレーションを用いた多重反射の影響の低減により、導波管型直交偏波分離器の通過損失等を高精度測定することに成功しました。実際に使用する温度での周波数特性が高精度に得られたことは、受信機のさらなる高性能化や課題抽出に対して重要な意味を持ち、今後の受信機開発への応用が期待できます。

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Sho_Masui

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