国立天文台が製造したバンド8受信機による干渉計試験に成功

2012年3月18日、標高5000mの山頂施設に設置された日本製の直径7mアンテナ2台に国立天文台製のバンド8受信機を搭載して、干渉計試験が行われました。この干渉計試験では水星が放つ電波をとらえ、干渉縞(フリンジ)を検出することに成功しました。

また翌19日には、わし座R星の周囲に分布する一酸化炭素分子が出す電波(周波数461GHz)を観測する干渉計試験にも成功しました。上の図はこの干渉計試験で取得されたスペクトル(左)と位相(右)です。左図に見える赤い線のわずかな盛り上がりが一酸化炭素から放射される電波を示しています。また右の位相の図では、左図のスペクトルと同じ周波数範囲(横軸のチャンネル3000から4000あたり)で信号(赤い点)が中央に集中していることを見て取ることができます。これは2台のアンテナで集めた信号の相関処理が成功し、この2台が干渉計として動作しているということを示しています。観測後すぐに写真を見ることができる可視光望遠鏡と違い、アルマ望遠鏡のスタッフはこのようなグラフを見て、観測がうまく進んでいるかどうかを判断します。

干渉計試験が成功したことを示すグラフが表示されたコンソールを指さすHéctor Alarcón 合同アルマ観測所 望遠鏡オペレータグループ副リーダーと浅山信一郎 国立天文台助教/合同アルマ観測所シニアRFエンジニア(写真撮影:Paulo Cortes)

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