6月29日国立天文台三鷹キャンパスで、 日本が担当する3種類の受信機のひとつ、バンド8受信機の量産審査会が行われました。
今回審査が行われたバンド8受信機 (波長0.6mm、周波数385~500GHz)が担うのは、星間物質の中でも特に重要な成分のひとつ、炭素原子が出すスペクトル線が含まれている周波数帯域です。この炭素原子の出すスペクトルを丹念に調べて行くことで、星形成領域の進化の様子や遠方銀河の進化の様子を知ることができます。そのためバンド8受信機には、世界中の研究者から熱い期待がよせられています。
今回の審査会において、バンド8チームは、受信機の量産を行う上で必要な試験・組立設備、手順が整っており、その品質管理体制もしっかりとしていると海外の専門家を含む審査委員から高い評価を受けました。
最終的にこれらの受信機は、66台以上のパラボラアンテナで構成されるアルマ望遠鏡にそれぞれ1台ずつ搭載されます。バンド8受信機も66台以上の製造に向けて、量産が行われています。
写真は6月29日夕方に撮影したバンド8受信機量産審査会 参加者の集合写真です。(撮影:佐藤友美)