アルマ望遠鏡モリタアレイが「グッドデザイン金賞」を受賞

国立天文台が開発を担当したアルマ望遠鏡モリタアレイが、2013年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)において「グッドデザイン金賞」を受賞しました。国立天文台の望遠鏡としては、ハワイ・マウナケア山に設置されたすばる望遠鏡が2000年度グッドデザイン賞において金賞を受賞しており、今回のアルマ望遠鏡モリタアレイの受賞はそれ以来の金賞受賞となります。

今回の金賞受賞を受けて、井口聖 国立天文台教授/東アジア・アルマプロジェクトマネージャは
「アルマ望遠鏡モリタアレイがグッドデザイン金賞を受賞したことを、大変うれしく思います。厳しい環境において最高の性能を発揮するために、アンテナ・受信機・相関器などの機器の開発そしてインフラ整備において、さまざまな困難もありましたが、国立天文台をはじめ、東アジア・欧州・北米そしてチリの研究機関・大学・メーカーの研究者や技術者が一丸となってこれらの課題をクリアしてきました。アルマ望遠鏡の本格運用も始まっており、素晴らしい科学的成果が出てきています。引き続き努力し、この賞に恥じないよう、宇宙の謎の解明に向けて取り組んでいきたいと思います。」
と語っています。

なお、受賞にあたっての審査委員の評価コメントは以下の通りです。
『20の国と地域が共同で開発・運用する電波望遠鏡として、人類史上最高レベルの観測能力を可能にした。標高5000mという過酷な高地において、100億光年もの彼方からやってくる微弱な電波を検出するという課題に、天体追尾性を可能にする鏡面精度を持つアンテナ、高効率化された受信機、高い演算性能をもつ計算機を統合し、全ての開発において、厳しい精度を追求し実現させている。開発にあたっては、日本の研究者、メーカーらの技術の粋を結集し、日本らしい総合的なデザイン、精度の高いものづくりの力が、世界レベルによる人類の知の探求の営みに大きく貢献することを力強く示している。研究機器の開発、デザインという次元を超えて、地球と宇宙の関係を解き明かすことで「私たちはどこからきて、どこへいくのか」という人類の根源的な問いに挑戦する、人類の文化活動の歴史に刻まれるべき、価値の高い開発プロジェクトであると評価する。』

下の画像:アルマ望遠鏡モリタアレイを構成する、12mパラボラアンテナ(左上)・7mパラボラアンテナ(左下)・バンド4/8/10の各受信機(右上)・相関器(右下)
Credit: 国立天文台

NEW ARTICLES