アルマ望遠鏡、高速通信ネットワークに接続

人里離れたところに建設されたアルマ望遠鏡は、その立地ゆえに素晴らしい観測成果を上げていますが、データのやり取りには苦労が伴います。今回、アルマ望遠鏡山頂施設とチリ北部の街カラマの間150kmに大容量の光ファイバーが設置されたことにより、データをこれまでの25倍の速度で転送できるようになりました。現在はまだ速度を制限しての確認作業中ですが、すでに転送速度は1Gbpsを超えています。

カラマから太平洋岸の港町アントファガスタまでは既に高速回線で結ばれており、アントファガスタからチリの首都サンティアゴまでは、チリの学術ネットワーク運用組織REUNAが高速回線を運用しています。アルマ望遠鏡山頂施設から合同アルマ観測所サンティアゴ事務所までが光ファイバーでつながったことで、よりスムーズなデータ転送と研究の遂行が可能になります。

映像1:アルマ望遠鏡山頂施設からサンティアゴまでのネットワーク経路
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) – E. Diaz

米国北東部大学連合(Associated Universities Inc.: AUI)の在チリ代表であるエドアルド・ハーディー氏は「アルマ望遠鏡がもたらす膨大なデータを、この大容量回線を使ってプロジェクト参加国・地域やさらには世界中の科学コミュニティーと共有することで、望遠鏡の可能性を最大限に引き出すことができます。」とその意義を語っています。今回の光ファイバーの敷設は、AUIとREUNAが結んだ協定書に基づいて行われたものです。

映像2:アルマ望遠鏡山頂施設付近での光ファイバー敷設工事の様子。標高5000mの場所での作業です。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO) – E. Diaz

下の写真は光ファイバーケーブル敷設作業の様子です。

Credit: SILICA Networks

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