アルマ望遠鏡データに基づく論文が、日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞

名古屋大学の深川美里さんたちが発表した論文が、2017年度日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞しました。この賞は、日本天文学会欧文研究報告に過去5年に掲載された論文の中から,独創的で天文分野の発展に寄与した優れた論文に対して授与されるものです。

授賞論文:
Fukagawa et al. “Local Enhancement of Surface Density in the Protoplanetary Ring Surrounding HD 142527”, Publication of the Astronomical Society of Japan, Vol. 65, No. 6, article id. L14, 2013 December

アルマ望遠鏡データに基づく論文が、日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞

左から、片岡章雅さん、塚越崇さん、深川美里さん、西合一也さん。
Credit: 国立天文台

受賞の対象となった論文は、若い星HD142527のまわりの塵の円盤をアルマ望遠鏡で観測した結果を報告するものでした。深川さんらは、塵が円盤内で一様に広がっているのではなく一部に偏って存在していることを発見し、そこで惑星が作られる可能性が高まっていることを示しました。この結果は惑星形成理論の構築に大きなインパクトをもたらすものであり、2017年12月時点での論文被引用数が85回に達しています。原始惑星系円盤の形成進化の研究に新たな展開をもたらし、その波及効果が今後も見込まれる研究となっていることが高く評価されました。

論文の筆頭著者である深川さんは、「研究チームの皆さんの活躍で論文が書けました。今回、その内容が評価され、うれしく思います。一方で、これはアルマが稼働を始めた直後の成果です。その後、アルマの性能は飛躍的に向上し、新しい観測手法や、より高い解像度で、多くの原始惑星系円盤を調べることが可能になってきています。惑星系の誕生には、まだたくさんの謎が残されています。それらの解明に向けて、今後も研究を積み重ねていきたいと思います。」と述べています。

この研究の内容については、2014年1月17日付プレスリリース「アルマ望遠鏡が見つけた巨大惑星系形成の現場」をご覧ください。

研究チームのメンバーは、以下の通りです(所属は論文発表当時)。
深川美里(大阪大学)、塚越崇、百瀬宗武(茨城大学)、西合一矢、大橋永芳(国立天文台)、北村良実(JAXA宇宙科学研究所)、犬塚修一郎(名古屋大学)、武藤恭之(工学院大学)、野村英子(京都大学)、竹内拓(東京工業大学)、小林浩(名古屋大学)、花輪知幸(千葉大学)、秋山永治(国立天文台)、本田充彦(神奈川大学)、藤原英明(国立天文台)、片岡章雅(総合研究大学院大学/国立天文台)、高橋実道(名古屋大学/京都大学)、芝井広(大阪大学)

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