アルマ望遠鏡は、チリ共和国での新型コロナウイルス感染症の広がりを受けて、感染拡大防止を目的に2020年3月20日から運用を停止しています。最近になってチリでの感染症の拡大状況が改善してきたことを受け、アルマ望遠鏡の観測再開に向けた準備を開始することになりました。まずは、標高2900mに位置するアルマ望遠鏡山麓施設に、アルマ望遠鏡職員と契約業者職員が復帰する準備を行います。
運用停止以来、アタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡施設は、水素メーザー機器を除いて、電源・水道も含めてすべて停止しています。この期間中、安全管理を行うためのチームが毎日施設を訪問し、安全の確認を行ってきました。
合同アルマ観測所では、アルマ望遠鏡の運用再開、さらには科学観測の再開に向けたプランを注意深く検討してきました。現在のところ、科学観測の再開は来年になる見込みです。再開プランの実施に際しては、チリにおける感染症拡大状況が大きく影響します。合同アルマ観測所は、感染症の状況について毎週注意深く確認を行います。
合同アルマ観測所では、運用再開プランの策定と実施に際して、感染症拡大防止のための詳細なガイドラインを設定しています。まずは山麓施設の稼働再開に向けた準備を進め、その後標高5000mの山頂施設(アンテナ群や相関器など)の稼働準備を行います。アルマ望遠鏡の運用を6か月にわたって停止することは今回が初めてでしたので、感染拡大防止に細心の注意を払いながら施設を安定的に再開できるようになるまでには、時間を要すると想定されます。
アルマ望遠鏡の運用再開に向けて、準備段階が進むごとに今後も情報発信を続けていきます。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。