2021. 1. 29

【ALMAメールマガジン】惑星は恒星と同時に作られていく?

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2021年1月29日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。

 

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Pick up!
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◎惑星は恒星と同時に作られていく? -原始星円盤の形成初期に存在する惑星形成リング-
理化学研究所の大橋聡史研究員らの国際共同研究グループは、成長途上にある原始星円盤に「リング構造」を持つものが存在することに着目し、このリング構造が惑星形成の始まりに起こる塵の付着成長によって作られた可能性があることを示しました。惑星は恒星の形成後に作られるという古典的惑星形成論に大きな疑問を提示する研究成果といえます。
https://alma-telescope.jp/news/youngring-202101

 

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Topics
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◎観測史上最遠のクエーサーを131億光年彼方に発見
アリゾナ大学のフェイジ・ワン氏らの国際研究チームは、観測史上最も遠くに位置するクエーサーを発見しました。このクエーサーは地球からおよそ131億光年の距離にあり、その中心にある太陽の16億倍の質量を持つブラックホールをエネルギー源にして、天の川銀河全体の1000倍の明るさで輝いています。この発見は、宇宙誕生からわずか6億7千万年後に巨大な銀河と巨大なブラックホールが既に存在していたことを示しており、これらの天体が短期間でどのように形成されたのかという天文学上の大きな謎がさらに深まりました。
https://alma-telescope.jp/news/qso-202101

 

◎アルマ望遠鏡、衝突によって星形成能力を失う銀河を発見
イギリス・ダーラム大学のアナガラジア・プグリシ氏らの研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、93億年前の宇宙で大量のガスを噴き出す銀河を発見しました。この銀河では1年間に太陽1万個分に相当する質量のガスが流出しており、この銀河に含まれる低温ガスの約半分が噴き出していることになります。この銀河は別の銀河と衝突した形跡があるため、この衝突が猛烈なガス流出の引き金になったのではないかと研究者たちは考えています。
https://alma-telescope.jp/news/id2299-202101

 

◎アルマ望遠鏡運用再開に向けた準備の進捗について(2021年1月)
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、アルマ望遠鏡は2020年3月から運用を停止しています。科学観測を再開し、高品質な観測データを世界中のアルマ望遠鏡ユーザーに届けることを目標に、アルマ望遠鏡の運用再開に向けた準備作業を継続しています。
https://alma-telescope.jp/news/recovery-202101

 

◎ALMA/45m/ASTE ユーザーズミーティング開催報告
1月5日からの3日間、アルマ望遠鏡、野辺山45m電波望遠鏡、アステ望遠鏡のユーザーズミーティングがオンラインで開催されました。望遠鏡の運用を行う国立天文台スタッフと、ユーザーである研究者が一堂に会し、日本、台湾、韓国、チリ、中国から138名が参加しました。望遠鏡の現状や最新成果、今後の運用予定などを共有しました。
https://alma-telescope.jp/news/um-202101

 

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Events
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◎ 小惑星Kokubunji誕生6周年オンラインイベント「大人の宇宙教室 in 国分寺」
 日時: 2021年2月6日(土)19時00分~20時05分
 対象: どなたでも
 会場: YouTubeライブ配信 (申込不要・参加無料)
 講師: 阪本 成一(国立天文台 教授)/大川 拓也(JAXA宇宙科学研究所 広報担当)
 http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/machi/1007398/1024938.html

 

◎ JAXA×国立天文台 コズミックカレッジ 天文編(オンライン)
 日時: 2021年2月27日(土)10時30分〜12時00分
 対象: 小学生
 定員: 50組 (事前申込制・先着順・参加無料)
 内容: 特別講座「電波でさぐる宇宙のふしぎ」+電波ぬりえワークショップ
 https://edu.jaxa.jp/news/2020/j-0129-1.html

 

◎ JAXA×国立天文台 コズミックカレッジ地域主催者向けオンラインセミナー 天文編
 日時: 2021年3月3日(水)13時30分〜15時30分
 対象: 宇宙教育指導者・一般
 定員: 20組 (事前申込制・先着順・参加無料)
 内容: 宇宙教育・コズミックカレッジについて、国立天文台 天文教材の紹介など
 https://edu.jaxa.jp/news/2020/j-0129.html
 

◎ 国立天文台講演会/第25回アルマ望遠鏡講演会(オンライン)
 『暗黒の雲から生まれる星たち ~観測の現場から最新成果まで~』

 日時: 2021年3月6日(土)9時00分~11時00分
 対象: どなたでも
 会場: YouTubeライブ配信 (申込不要・定員なし・参加無料)
 講師: 平松 正顕(国立天文台 助教)/高橋 智子(国立天文台 准教授)/徳田 一起(大阪府立大学 客員研究員)
 https://www.nao.ac.jp/news/events/2021/20210129-alma-lecture.html
 

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Afterword
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アルマ望遠鏡が見上げるチリの夜空には、天の川や南十字星が輝いています。南十字星は古代インカの人々にとって大切な目印でした。隣国ペルーのマチュピチュ遺跡でも、南十字星を模した菱形の石が南の空を指しています。このような標高の高いアンデス高地では、明るい星々とは対照的に暗黒星雲の存在が際立って見えます。アルマ望遠鏡は、この暗黒星雲の中で生まれ来る星々も観測しています。今年のアルマ望遠鏡講演会(2021年3月6日開催)のテーマは、「暗黒の雲から生まれる星たち」です。最新成果や観測の現場についての講演をYouTube配信でお届けします。ぜひご参加ください。

 

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