アルマ望遠鏡運用再開に向けた準備の進捗について(2021年1月)

チリ及び世界での新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、アルマ望遠鏡は2020年3月から運用を停止しています。科学観測を再開し、高品質な観測データを世界中のアルマ望遠鏡ユーザーに届けることを目標に、アルマ望遠鏡スタッフは望遠鏡運用の再開に向けた作業を継続しています。

標高5000mのアルマ望遠鏡山頂施設に設置されたアンテナ群は、およそ300日間にわたって停止状態にありましたが、現在、アンテナ群への電源投入と機能確認を進めています。同じく山頂施設にある基準信号発生装置と2台の専用計算機(相関器)は問題なく再起動しており、複数のアンテナを結合した干渉計観測試験も進められています。また、東アジア・北米・欧州のアルマ望遠鏡地域センターでは、各地域のアルマ望遠鏡ユーザーが既存の観測データを処理・解析する支援を行っています。

標高2900mのアルマ望遠鏡山麓施設は、最小限のスタッフが業務にあたるための拠点としての機能を回復しています。ただし、チリ及び世界各国での感染状況の推移や望遠鏡の再立ち上げ作業中に発生しうる問題などの不安定要因があり、通常の科学観測の再開までにはまだ時間がかかると想定されます。

【参考】
2020年11月23日発表 アルマ望遠鏡運用再開に向けた準備の進捗について
2020年10月1日発表 アルマ望遠鏡の運用再開に向けた準備について

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