初期宇宙の銀河でもダークマターが優勢か
この研究成果は、2025年2月7日に東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI)他からプレスリリースさ…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2025年2月13日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆初期宇宙の銀河でもダークマターが優勢か
Kavli IPMUの John Silverman (ジョン シルバーマン) 教授らの国際研究グループは、
アルマ望遠鏡の観測データを用いた分析から、約130億光年離れた
超大質量ブラックホールを含む2つの銀河のハローで、ダークマターが優勢であることを
発見しました。宇宙がまだ非常に若い時代におけるダークマターと
超大質量ブラックホールの関係や、銀河が今日までどのような進化をしてきたかに関して
新たな洞察を与える成果です。
https://alma-telescope.jp/news/press/dm-202502
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Topics
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◆惑星形成現場の磁場観測に成功
惑星の材料となる塵粒子の偏光をアルマ望遠鏡で観測することで、
原始惑星系円盤の磁場構造を観測することに初めて成功しました。
国立天文台の大橋聡史 特任助教らの研究チームは、若い星HD 142527
の周りの原始惑星系円盤を波長0.9 mm、1 mm、2 mm、そして3 mmの
アルマ望遠鏡による偏光観測データで調べました。その結果、塵から出る
電波が高い割合で偏光されており、その偏光メカニズムが磁場によって
生み出されていることを明らかにしました。さらに詳細に磁場の方向を
調べることで、円盤の3次元磁場構造を見積もる手法を提案し、実際に
磁場の構造や強度を見積もることに成功しました。本研究は惑星形成に対する
磁場の役割を解明するために大きく貢献するものです。
https://alma-telescope.jp/news/press/magnticfield-202502
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Afterword
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Pick up! で取り上げられた
◆初期宇宙の銀河でもダークマターが優勢か
宇宙がまだ非常に若い時代においても、
超大質量ブラックホールを含む2つの銀河のハローで、
ダークマターが優勢であることを発見しました。
ダークマターの解明は現代宇宙物理学の
重要なテーマになっています。
記事でも触れられている様に、
銀河を構成している星やガスは
ニュートンの万有引力の法則に従って、
銀河の中心を回っているのであれば、
外側ほど遅く回ることになります。
しかし、予想に反して外側の方も内側の方と
同じくらいの速さで回されているという
観測結果が得られました。
ここから、光の仲間(電磁波)では
見ることはできないけれど万有引力の影響を及ぼして
上記の様に銀河を構成している星やガスを回す黒幕として
ダークマターの存在が考えられる様になりました。
アルマ望遠鏡を用いても様々なダークマターに関する
研究がおこなわれています。
合わせてダークマターに関するスーパーコンピュータを用いた
シミュレーション研究に関しても紹介させていただきます。
よろしければ以下のURLからご覧下さい。
2023.09.04
アルマ望遠鏡でダークマターの小規模なゆらぎを初検出
~ダークマターの正体解明へ重要な一歩~
https://alma-telescope.jp/news/press/darkmatter-202309
2017.12.07
ダークマターの大海原に浮かぶ巨大な原始銀河
https://alma-telescope.jp/news/dark-matter-201712
2016.04.14
アルマ望遠鏡の重力レンズ画像に隠された、暗い矮小銀河
https://alma-telescope.jp/news/mt-post_647
ダークマターハローの形成・進化
(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)
https://4d2u.nao.ac.jp/movies/dmh3/
宇宙の大規模構造
(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)
https://4d2u.nao.ac.jp/movies/20050201-lss/
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この研究成果は、2025年2月7日に東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI)他からプレスリリースさ…
国立天文台のJorge Zavala特任助教が率いる国際チームは、134億光年先の生まれたての銀河の中で水素原子や酸素原子が放った輝線…