今年10月から1年間にわたって実行されるアルマ望遠鏡科学観測サイクル5に向けた観測提案の提出が4月20日24時(日本時間)に締め切られ、1712件の提案が世界中から提出されました。重複提案などを取り除く作業がこれから行われますが、締め切り時点で過去のどのサイクルよりも多くの提案が寄せられたことは、多くの天文学者がアルマ望遠鏡に期待を寄せ、観測を希望していることの表れといってよいでしょう。100名を超える研究者が審査員となってこの観測提案を確認し、6月にベルギーで開催される会合で最終的な審査が行われます。
観測提案が採択されると、研究者は観測天体の位置や観測する電波の周波数を専用のソフトウェアを用いて設定し、合同アルマ観測所に送ります。この設定に基づいて合同アルマ観測所のオペレータが観測を実行し、データを取得します。サイクル5では12メートルアンテナ46台と7mアンテナ10台が使用可能で、観測周波数帯もバンド3~10のすべてが利用可能です。また、最大16kmの範囲にアンテナを展開して、0.018秒角の解像度を実現することができます。