秋山永治氏、日本惑星科学会2016年度最優秀研究者賞を受賞

国立天文台チリ観測所の秋山永治 特任助教が、日本惑星科学会の2016年度最優秀研究者賞を受賞しました。9月27日~29日に大阪大学で開催された日本惑星科学会2017年秋季講演会で、秋山氏が「観測が明かす原始惑星系円盤と惑星系の姿」と題して受賞記念講演を行ったほか、授賞式が執り行われました。

秋山永治氏、日本惑星科学会2016年度最優秀研究者賞を受賞

日本惑星科学会最優秀研究者賞を受賞した秋山永治 国立天文台チリ観測所特任助教(左)と、推薦者の林正彦 国立天文台長(右)。
Credit: 国立天文台

秋山氏は、アルマ望遠鏡や国立天文台がハワイで運用しているすばる望遠鏡などを用いて、若い星のまわりを取り巻くガスと塵の円盤「原始惑星系円盤」を観測し、そこで起きる惑星の誕生についての研究を行っています。秋山氏は、若い星うみへび座TW星をすばる望遠鏡で観測し、それまで知られていなかった円盤の隙間を発見したほか、アルマ望遠鏡で詳細な画像が撮影されたおうし座HL星うみへび座TW星についても独自のデータ解析をもとに研究しています。今回の受賞は、秋山氏のこうした研究が惑星科学の発展に大きく寄与したことが評価されたことによるものです。

秋山氏は、「多くの方からのご支援のおかげで、大変栄誉ある賞を頂くことができました。今日、アルマ望遠鏡など一時代を画す望遠鏡や装置が次々と登場し、惑星科学は劇的な進歩を遂げております。そして、今や太陽系外の惑星系や宇宙生命にまで科学的に議論ができるようになりました。今後も研究者としてさらなる成長を目指し、我々の太陽系や地球、そして生命の起源に迫っていき、科学的成果を挙げることで、今までお世話になった方々の期待に報いて参りたいと思っております。」と述べています。

また、学生会員を対象とした2017年度最優秀発表者賞として、京都大学の野津翔太さんによる発表「ALMA分光観測による原始惑星系円盤のH2Oスノーラインの同定可能性」が選ばれました。本研究には、秋山氏も共同研究者として支援しています。これらの受賞は、アルマ望遠鏡が惑星の誕生現場の研究に大きなインパクトを与えていることを示すものです。

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