筑波大学の橋本拓也さんたちが発表した論文が、2021年度日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞しました。この賞は、日本天文学会欧文研究報告に過去5年に掲載された論文の中から,独創的で天文分野の発展に寄与した優れた論文に対して授与されます。
授賞論文:
Hashimoto et al. “Big Three Dragons: A z = 7.15 Lyman-break galaxy detected in [O III] 88μm, [C II] 158μm, and dust continuum with ALMA”, Publication of the Astronomical Society of Japan, Vol. 71, No. 4, article id. 71, 2019
橋本さんは、アルマ望遠鏡を使って131億光年先にある天体B14-65666を観測し、酸素、炭素、塵が放つ電波を同時に検出することに成功しました。また、画像を解析した結果、銀河の衝突・合体によって星の集団が形成されていることを明らかにしました。この結果は世界的にも注目されており、2022年2月時点での論文被引用数が127回に達しています。宇宙再電離期における銀河の星間物理学の扉を開いた重要な成果としてたいへん高く評価されました。
今回の受賞を受けて橋本さんは「このような素晴らしい賞を共著者の方々と受賞でき大変嬉しく思います。本成果はアルマの優れた感度と分解能があって実現しました。実は、この論文を執筆していた2018年ころ、論文賞をいただけるような素晴らしい論文にしよう!と盛り上がっていたのですが、それが現実になって本当に感無量です。今後も良い研究成果をあげられるよう、精進して参ります。」とコメントしています。
この研究の内容については、2019年6月18日付プレスリリース「アルマ望遠鏡、観測史上最遠の合体銀河の証拠をとらえた」 をご覧ください。