国立天文台アルマ望遠鏡は、日本地球惑星科学連合大会(JpGU、5月26日~31日)に毎年ブース出展しています。アルマ望遠鏡と同じ国際協力プロジェクトで口径30メートルの光赤外望遠鏡の建設を進めている国立天文台TMTプロジェクトと合同のブース出展でした。
本格的な観測を開始して昨年10周年を迎えたアルマ望遠鏡ですが、ここ約10年間で得られた主要な3テーマの代表的な成果として、1. 惑星が生まれる現場を詳細に捉えて新しい知見を得たこと、2. 惑星が誕生する場所で様々な有機分子を捉えたこと、3. 132.8億光年彼方の銀河で酸素から出るシグナルを検出したこと等に関し、ブースを訪れた皆様に説明員がそれらの意味を分かりやすく解説しました。また、アルマ望遠鏡の大幅な性能向上を図るために昨年から開始したプロジェクト「アルマ2」の重要性も紹介しました。この性能向上によってアルマ望遠鏡は世界の天文学をリードし続けます。
大会期間中はいくつかの高校生向けのイベントも開催され、多くの学生が国立天文台 アルマ・TMTブースを訪れ、説明員に鋭い質問を投げかけていました。将来アルマ望遠鏡のような望遠鏡を使った研究活動に参加することに興味を持った学生さんも少なからずいたように見受けられました。
このブース展示によって、地球惑星関連の研究者によるアルマ望遠鏡の活用を促すとともに、そう遠くない先に、ブースを訪れた高校生や学部学生がアルマ望遠鏡を用いて世界をリードする研究を行うことへと誘う、貴重な機会を提供できました。
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