三鷹星と宇宙の日2021オンライン開催

国立天文台が毎年開催している特別公開「三鷹・星と宇宙の日」は、昨年に引き続き今年もオンラインでの開催となりました。今年のメイン講演会のテーマは「アルマ望遠鏡10年の軌跡」となり、3名の研究者がオンラインでの講演をお届けしました。また、アルマプロジェクトの企画としてミニ講演6本に加え、事前にオンラインで集めた質問にお答えする「アルマ望遠鏡何でも質問箱」、そしてオンラインクイズを行いました。

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メイン講演会では、水野範和 国立天文台教授が、「アルマの現場、10年の軌跡」と題して講演しました。標高2900mのアルマ望遠鏡山麓施設からの遠隔講演で、名古屋大学なんてん望遠鏡からアルマ望遠鏡まで、自らのチリでの望遠鏡建設・運用の経験について紹介しました。アルマ望遠鏡の概要や化学的成果はもちろん、合同アルマ観測所技術部門長として多くのスタッフを率いる立場から、現地での運用の様子の紹介もありました。

次に、河野孝太郎 東京大学教授が、「アルマが見つめる銀河:解き明かした謎、そして新たな謎」と題して講演を行いました。これまでの10年間でアルマ望遠鏡が解き明かした銀河に関する謎を、ランキング形式で紹介しました。さらに、アルマ望遠鏡の観測によって新たに生み出された謎がそれぞれに付随していることも紹介され、今後のアルマ望遠鏡や他の望遠鏡を使った研究への期待が語られました。

アルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授は、「アルマ望遠鏡最初の10年 技術の仕事からマネジメントまで」と題して講演を行いました。アルマ望遠鏡の東アジアプロジェクトマネージャを務めるゴンサレス准教授は、電波干渉計の原理やアルマ望遠鏡計画の進展、技術的なハイライトについても紹介しました。スペイン出身のゴンサレス准教授ですが講演は日本語で行い、YouTubeチャットを通して寄せられた質問への応答も日本語で行いました。

アルマ望遠鏡ミニ講演では、星の誕生、惑星の誕生、遠方の銀河やブラックホール、アルマ望遠鏡を支える情報技術、そして将来計画について紹介しました。それぞれの時間にもYouTubeチャットを通してたくさんの質問が寄せられ、研究者・技術者がそれぞれお答えしました。さらに、「アルマ望遠鏡なんでも質問箱」のコーナーには事前におよそ30の質問が寄せられ、「アルマ望遠鏡のメンテナンスはどれくらいの頻度で行われているのか?」「7mアンテナと12mアンテナはどのように使い分けるのか?」「観測所の食堂でおいしかったメニューは?」などの質問に、研究者がお答えしました。

これらの講演の録画はYouTubeで公開されています。開催当日にご覧になれなかった皆様も、ぜひお時間のある時にじっくりご覧ください。

また、三鷹・星と宇宙の日2021オンラインの特設ページでは、アルマ望遠鏡以外の様々な企画・オンライン講演もご紹介しています。こちらも併せてご覧ください。

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