4月28日(チリ時間)夜、アルマ山頂施設(標高5000m)にて1966メートル離れた日本製アンテナ2台による干渉計試験に成功しました。アルマは複数のアンテナを組み合わせてひとつの望遠鏡として観測を行う干渉計です。干渉計ではアンテナ間隔を広くとるほど解像度の高い観測が可能になります。今回のアンテナ間の距離は、アルマでは過去最長です。
観測天体はいて座VX星、SiO(一酸化ケイ素)分子が放射するメーザー輝線を検出しました。下の図は今回の干渉計試験で取得されたスペクトル(左)と位相(右)です。これらの図から、2台のアンテナが干渉計として正常に動作していることがわかります。
アルマ望遠鏡は16台のアンテナを使用した科学観測がすでに始まっていますが、完成時には最大18.5キロメートルの広がりを持つ66台のアンテナで構成された巨大な電波望遠鏡になります。今回の干渉計試験の成功を初め、今後の本格的な観測に向けた準備が着々と進められています。
下の写真は、アルマのアンテナ群を1966m先に望む、干渉計試験に使用された日本製アンテナです。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), R. Hills (ALMA)