アルマ望遠鏡科学観測サイクル3に記録的な数の観測提案

2015年10月開始予定のアルマ望遠鏡科学観測サイクル3の観測提案募集が4月23日に締め切られ、世界中の研究者から1582件の観測提案が提出されました。

「これだけの数の観測提案を問題なく受け付けることができたのは、合同アルマ観測所と各地域のアルマ望遠鏡サポートセンターのスタッフが協力して、24時間体制で提案提出システムが円滑に動くように努力していたからです。またこの数の多さは、世界中の研究者がアルマ望遠鏡を支援し、またそれを用いた観測に強い興味を持っていることを表しています。」と、合同アルマ観測所のピエール・コックス所長は話しています。

合同アルマ観測所科学運用部門長を務めるラース・オケ・ニーマン氏は、「アルマ望遠鏡はまだ動き始めたばかりですが、研究者からの関心は年々高まっています。現在行われている科学観測サイクル2に対して提出された観測提案の数は、1382件でしたから。」と語っています。また、世界中のいろいろな場所から、さまざまな国際研究チームによってこれらの観測提案が提出されたことも特筆すべきことです。研究提案に名前を連ねた研究者は、3608名にも上ります。

図に示す通り、全観測提案の中でもっとも多かった分野は「星間物質・星形成・星間化学」(全提案の26%)と「銀河・銀河核」(25%)でした。この他、21%が「宇宙論・遠方宇宙」、20%が「星周円盤・太陽系外惑星・太陽系」、8%が「恒星進化・太陽」でした。

提出された観測提案で要求されている時間の合計は9037時間に及びます。これは実際に観測に供することのできる時間(約2100時間)よりも多いため、合同アルマ観測所は観測提案の審査を行い、優れた観測提案だけに観測時間を配分します。この審査は、世界中から選ばれた97名の専門家によって行われます。審査結果は、2015年8月中旬に公表される予定です。

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