5月17日(チリ時間)早朝、山麓施設(標高2900m)の北東方向にあるリカンカブール山(標高5916m)から差した朝日が、山麓施設の南西方向にあるアタカマ塩湖(標高2300m)を照らしオレンジ色に輝きました。よく見るとオレンジ色の部分に三角形の黒い影も見えます。これはリカンカブール山の影です。
北東から昇った太陽が、南西の大地を照らしていることに不思議さを感じますが、これは、アルマ望遠鏡を建設している場所チリが南半球にあり、太陽が東から昇り北を通って西に沈むためです。そして、南半球の季節は現在冬に向かっていますので、真東よりも若干北よりの東から太陽が昇ります。また、リカンカブール山、山麓施設、アタカマ塩湖は、標高差がありますが、地図上で北東から南西にかけて一列に並ぶ位置関係にあり、それらの間隔がちょうど直線距離で30km程度に並んでいます。
これらのさまざまな要因がうまく重なって、朝日を浴びたアタカマ塩湖にリカンカブール山の影が映り込むという、とても珍しい景色を山麓施設から見ることができたのです。(写真:津野晃臣)
なお、山麓施設周辺の詳しいようすは「アルマへの旅 第三章 山麓施設 」でご覧頂けます。