アルマ望遠鏡国際研究会、東京で開催

アルマ望遠鏡による観測成果を議論する国際研究会『Revolution in Astronomy with ALMA -The 3rd Year-』が、2014年12月8日から11日まで東京国際フォーラムで開催され、世界中からおよそ300名の研究者が集まりました。アルマ望遠鏡の観測データをもとに既に170本以上の論文が出版されていますが、今回の研究会ではアルマ望遠鏡が取得した最新のデータをもとに活発な議論が展開されました。

研究会の科学組織委員会委員長を務めた立松健一 国立天文台教授・東アジアアルマ地域センターマネージャは「今回の研究会では、その名称の通り『天文学の革命』がアルマ望遠鏡によって始まったことが実感できました。比類なき感度と解像度のおかげで、『銀河はビッグバンの後どのように誕生したのか』『赤ちゃん星のまわりで惑星がどのように誕生するのか』『どのような生命関連分子が宇宙に存在しているのか』という謎に迫る、息をのむような成果が続々とアルマ望遠鏡から出てきています。」と語っています。

今回の研究会では、太陽系天体、星や惑星の形成、銀河、星の進化や星間化学にいたるまで非常に幅広いテーマに関する研究発表が行われました。アルマ望遠鏡による観測結果によって定説に疑問符がつけられるような場面もしばしばありました。

研究会の発表のようす Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/M. Hiramatsu

合同アルマ観測所のピエール・コックス所長は「私たちはまさに、天文学が次の一歩を踏み出している様子を見ていると言っていいでしょう。建設が終了し本格観測に移ったアルマ望遠鏡から、素晴らしい成果がもたらされています。研究者の夢が叶いつつある瞬間です。」と、今回の研究会の印象を語っています。

2011年9月、アルマ望遠鏡は建設が完了しないうちに、すでに準備が整った一部の装置・機能を使って初期科学観測を開始しました。この時の使用可能なアンテナ台数は16台でしたが、現在は45台を科学観測に使用しています。世界の研究者に開放する観測時間も当初の4倍(1期当たり2000時間)まで増加し、初期科学観測から現在まで3505件の観測提案が世界から寄せられています。また2014年9月から行われた『長基線試験観測キャンペーン』で取得されたおうし座HL星の超高解像度画像も、今回の研究会のハイライトの一つでした。

現地組織委員会の委員長を務めた伊王野大介 国立天文台准教授・東アジアプロジェクトサイエンティストは「世界中からこれほど多くの研究者に東京に集まってもらうことができて、大変うれしく思っています。アルマ望遠鏡の観測成果はもちろん、日本の食や文化も楽しんでもらえたことでしょう。」と語っています。

研究会前日の12月7日(日)には、東京国際交流館で国立天文台講演会『クール・ユニバース ~アルマ望遠鏡でたどる私たちのルーツ』を開催しました。長谷川哲夫 国立天文台チリ観測所長、エヴィン・ヴァン・ディショック ライデン大学/マックスプランク地球外物理研究所 教授、福井康雄 名古屋大学教授が、およそ200名の来場者に向けてアルマ望遠鏡の最新情報や最新成果を紹介しました。この講演会にはチリの大学生が開発したレゴブロックのアンテナ模型とアンテナ運搬台車(トランスポーター)模型も展示され、多くの方にご覧いただくことができました。

講演会で展示されたレゴ模型 Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/S. Nukatani

なお、国立天文台講演会の録画映像は国立天文台USTREAMチャンネルでご覧いただけます。

下の写真は、研究会で撮影された集合写真です。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/M. Hiramatsu

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