国立天文台三鷹のALMA棟には、現在15名の大学院生が在籍しています。国立天文台を基盤機関の一つとする総合研究大学院大学に所属する大学院生や、国立天文台の研究者が併任教員となっている東京大学の大学院生に加えて、そのほかの大学に所属する大学院生が受託院生という形で在籍し、さまざまな研究を行っています。
その大学院生たちが自身の研究の進捗・成果を発表する会が、2015年11月25日に開催されました。大学院生とその指導教員の他、ALMA棟で研究業務を行う研究員や研究者も集い、発表を聞いて活発な議論を行いました。外国籍の研究者もいるため、発表と大半の質疑応答も英語で行われています。
ALMA棟に在籍する大学院生の中には、指導教員と協力してアルマ望遠鏡の観測提案を作成し、複数の提案が採択された大学院生もいます。またアルマ望遠鏡データの解析を熟知した研究者がすぐ近くにいるため、スムーズに研究を進めることができます。このほかにも大学院教育の一環として、大学院生が電波干渉計の原理を学ぶための教科書輪読ゼミや、新着論文を紹介するゼミの他、研究者を招聘して最新の成果を紹介してもらうALMAセミナーなどが定常的に開催されています。今回のような大学院生研究発表会は年に一度、修士1年生の研究成果が見え始め、修士2年生が修士論文をまとめる段階にある秋から冬に開催しています。