新しい東アジア・アルマプロジェクトマネージャにアルバロ・ゴンサレス氏

アルマ望遠鏡東アジアチームをまとめるプロジェクトマネージャに、アルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授が就任することになりました。現在プロジェクトマネージャを務めている井口聖 国立天文台教授・副台長から、2018年10月1日付でバトンを受け取ることになります。
 

アルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授

アルバロ・ゴンサレス 国立天文台准教授
Credit: 国立天文台


 

ゴンサレス氏はプロジェクトマネージャ就任にあたり、次のように抱負を述べています。
「東アジア・アルマプロジェクトマネージャに就任することを、とても誇りに思い、またこの仕事を通して向き合うことになる新しい挑戦や様々な機会を楽しみにしています。アルマ望遠鏡は、ミリ波サブミリ波を観測する地上観測装置としては現在もっとも強力で、科学観測の開始以来素晴らしい成果を挙げ続けています。東アジア・アルマプロジェクトマネージャとして、アルマ望遠鏡の円滑で生産的な科学運用継続を念頭に、日本と東アジアの貢献を継続しさらに強化するために一生懸命努力するつもりです。また、アルマ望遠鏡がワクワクするような新しい科学研究を行う魅力的な道具であり続けられるよう、望遠鏡の機能向上にも大きく貢献したいと思っています。さらに、アルマ地域センターを通じて日本の科学コミュニティーに貢献し、インパクトある研究成果の創出を促進します。また、アルマ望遠鏡の最新成果を日本の社会で広く共有し若い世代に刺激を与えられるような広報活動も支援します。」

アルマ望遠鏡は、東アジア・欧州・北米が建設地のチリと共同で運用する国際研究施設です。日本の国立天文台、欧州南天天文台、米国国立電波天文台がそれぞれの地域の執行機関として、チリに設立された合同アルマ観測所と協力してアルマ望遠鏡の運用にあたっています。合同アルマ観測所は、主として現場での望遠鏡運用に責任を持ちます。一方で各地域の執行機関は、各地域のアルマ望遠鏡ユーザー支援や研究振興、新規技術開発や現地でのメンテナンス支援などを担当します。東アジア地域でのアルマ望遠鏡運用支援活動を統括するのが、東アジア・アルマプロジェクトマネージャです。

アルバロ・ゴンサレス氏は、スペインのバレンシア工科大学で電気通信技術(2005年)、フランスの国際宇宙大学で宇宙学(2006年)の修士号を取得し、欧州宇宙機関(ESA)で探査機や電気通信のためのアンテナと受信機開発に従事しました。2008年には専門分野を電波天文学に変え、アメリカのカリフォルニア工科大学にて電気工学の修士号を取得しました。2010年3月にアルマ望遠鏡バンド10受信機開発チームのメンバーとして国立天文台に入り、2014年にはアルマ望遠鏡・アステ望遠鏡向けの受信機に関する研究で東京大学にて博士号を取得しました。その後、2016年に国立天文台助教、2017年に准教授に就任し、現在はアルマ望遠鏡の東アジア・開発プログラムマネージャを務めています。また、2006年にスペインNational Academic Award、2008年にFulbright Science and Technology Award、2017年にIEEE RADIO 2017 Young Scientist Awardを受賞しています。

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