チリ共和国での新型コロナウイルス感染症の拡大は小康状態にあります。2020年10月1日にお知らせしたとおり(参考:「アルマ望遠鏡の運用再開に向けた準備について」)、アルマ望遠鏡スタッフは望遠鏡の運用再開に向けた準備を続けてきました。
これまでのところ、準備は順調に進んでいます。その第一段階として、アルマ望遠鏡山麓施設(標高2900m)を復帰させ、限られた人数のアルマ望遠鏡スタッフ及び契約業者職員が滞在できるようにすることを目標にしていました。関係者の努力により、これは予定通り進捗しています。次の段階は標高5000mのアルマ望遠鏡山頂施設の再始動であり、その作業に向けた議論が進んでいます。運用再開準備にあたっては、通常時よりもさらに厳格な安全管理のもとで業務にあたっている関係者の健康と安全を引き続き第一に考えながら、検討と作業を行っていきます。
復帰作業の進捗には様々な要因が関係するため、運用の再開に至るまでには長期間かかることが想定され、はっきりした期日を示すことは困難です。しかし、もし現在の予定通りに復帰作業が進めば、試験的な科学観測の実行に必要なアンテナと冷却受信機がそろうのは、最も早くて2021年1月になる見込みです。その後2月には、例年通り装置の定期メンテナンスを行います。このため、通常の科学観測の再開は最も早くて2021年3月になると想定しています。