アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2018年3月4日号
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今夜は「月齢16」アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎活動的な超巨大ブラックホールを取り巻くガスと塵のドーナツ
― 予言されていた回転ガス雲を初めて観測で確認
今西昌俊氏を代表とする国立天文台及び鹿児島大学からなる研究
チームは、アルマ望遠鏡を使って渦巻銀河M77の中心核を観測し、
超巨大ブラックホールをドーナツ状に取り巻く半径およそ20光年の
分子ガスをとらえました。さらに、この分子ガスがブラックホールを
中心に回転している様子を初めて鮮明に明らかにしました。「活動
銀河核」と呼ばれる活発な超巨大ブラックホールの周囲に回転する
ドーナツ状の分子ガスが存在することは古くから提唱されていました
が、これまで直接観測で確かめられたことはありませんでした。
今回の発見は、銀河の中心に存在する超巨大ブラックホールの活動
と周囲の銀河に与える影響を調べる際の基礎となる重要な成果です。
https://alma-telescope.jp/news/press/m77-201802
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topics
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◎超巨大ブラックホールは銀河進化と無関係?
~アルマ望遠鏡で見えてきた電離ガス流と分子ガスの意外な関係~
台湾中央研究院天文及天文物理研究所の鳥羽儀樹 研究員、工学
院大学教育推進機構の小麦真也 准教授、愛媛大学宇宙進化研究
センターの長尾透 教授らを中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡
を用いて、中心部から電離ガスを非常に激しく放出している活動的な
銀河を観測しました。観測の結果、銀河に含まれる一酸化炭素ガス
の検出に成功したと同時に、この一酸化炭素ガスが銀河中心からの
激しい電離ガス流の影響をほとんど受けずに銀河中に存在している
ことが明らかになりました。
これまで、超巨大ブラックホールが存在する銀河中心部からの電離
ガス流は周囲の分子ガスの運動や星形成活動に大きな影響を及ぼ
すと考えられきましたが、今回の結果は、超巨大ブラックホールと
銀河は必ずしも影響を及ぼし合っているわけではないことを示唆して
おり、アルマ望遠鏡によって、超巨大ブラックホールと銀河の共進化
の謎がさらに深まったと言えます。
https://alma-telescope.jp/news/press/dog-201802
◎プロキシマ・ケンタウリの巨大フレアをアルマ望遠鏡が観測
太陽系にもっとも近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリで、2017年
3月に巨大な爆発(フレア)が起きたことが、アルマ望遠鏡によって
明らかにされました。プロキシマ・ケンタウリには、その周囲に惑星が
回っていることが知られています。また、プロキシマ・ケンタウリと
惑星のあいだの距離がほどよいため、表面に液体の海が存在でき
るのではないか、さらには生き物も存在できるのではないか、という
期待も持たれていました。しかしアルマ望遠鏡の観測結果は、
その惑星が生命生存にはまったく適さない環境かもしれないことを
示しています。
https://alma-telescope.jp/news/proxima-201802
◎国立天文台講演会/第23回アルマ望遠鏡講演会を開催
2月4日(日)に、国立天文台講演会/第23回アルマ望遠鏡講演会を
東京都江東区の東京国際交流館(プラザ平成)国際交流会議場に
て開催しました。「冷たい宇宙に挑むアルマ望遠鏡―惑星誕生の
ミステリーに究極技術で迫る―」と題し、3名が講演しました。
https://alma-telescope.jp/news/naoj-public-talk-201802
講演の記録映像はYouTubeでご覧いただけます。
※当日、ネット中継に不具合があり、冒頭部分の配信ができません
でした。ご迷惑をおかけいたしました。現在、録画映像により復旧し
ています。
https://www.youtube.com/watch?v=Pazkt3QT-yM
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event
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◎2018年3月10日(土)15:30~16:20
五反田文化センター星空ゼミ「究極の望遠鏡 アルマが探る宇宙」
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
場所:五反田文化センタープラネタリウム(東京都品川区)
料金:大人 200円・子ども 無料
参加方法:当日、午前9時より、1階券売機にてチケットを販売します。
http://shinagawa-gotanda-planetarium.com/2018/02/3-2.html
◎2018年3月17日(土)19:00~20:30
倉敷科学センター 天文講演会
「メイド・イン・岡山!アルマ望遠鏡が描きだす新しい宇宙の姿」
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
場所:倉敷科学センター プラネタリウム (岡山県倉敷市)
参加費:無料(展示室入館料が必要)
申込:倉敷科学センター(086-454-0300)に電話
http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/lifepark/ksc/release/180317_ksc_release.html
◎2018年3月18日(日)13:30~15:30
倉敷科学センター おはなし科学セミナー
「天文学者に聞いてみよう!天文学者って、どんな仕事?
宇宙って、どんなところ?」
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
場所:倉敷科学センター2階研修室 (岡山県倉敷市)
参加費:無料(展示室入館料が必要)
申込:倉敷科学センター(086-454-0300)に電話
http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/lifepark/ksc/release/180317_ksc_release.html
◎2018年3月18日(日)13:00~15:10
日本天文学会2018年春季年会
公開講演会「極限環境での最先端天文学」
講師:阪本成一(国立天文台チリ観測所長、教授)
講師:吉田滋(千葉大学教授)
定員:180名(先着順、事前申し込み不要)
場所:千葉市科学館(千葉県千葉市)
料金:無料
http://www.asj.or.jp/asj/publicLecture2018a.html
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afterword
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3月に入りました。寒い冬が続きましたが、皆様いかがお過ごしで
しょうか。国立天文台三鷹は梅の花がほころび、近づく春を感じさせ
てくれます。
今回は、日本の研究チームからのプレスリリースを2つお伝えしました。
どちらも超巨大ブラックホールに関する成果です。超巨大といっても
とても遠くにある天体です。ひとつは4700万光年、もうひとつはなんと
50億光年彼方です。そのため、従来の望遠鏡で観測することは難しく、
その実体は謎に包まれていました。
アルマ望遠鏡は宇宙の狭い範囲をぐっと拡大して見ることが得意な、
いわば顕微鏡のような望遠鏡です。はるか遠い銀河やブラックホール
を電波で調べると何が見えてくるのか、新しい天文学の扉が開きつつ
あります。
3月10日、17日、18日に各地で講演会が開催されます。
イベント情報をご確認の上、お近くの方はぜひお越しください。
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