アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2018年4月2日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎特集記事:アルマ望遠鏡を支える人々(2)
「機械」だけでなく「人」もつなぐコンピューティングの仕事
巨大な装置を使い、巨大な観測データを生み出すアルマ望遠鏡。天文学者たちが
アルマ望遠鏡を使って素晴らしい成果を挙げる隣にはいつも、「コンピューティング
チーム」の活躍があります。たくさんの装置に命を吹き込んで一糸乱れぬ制御を
実現するにも、人間には読み解けない膨大なデータを処理して意味ある画像を作る
にも、ソフトウェアの開発は欠かせません。アルマ望遠鏡の舞台裏を支える人たち
にスポットを当てる連載の第2回目は、日本のアルマ望遠鏡コンピューティング
チームをまとめる小杉城治 准教授にインタビューしました。
https://alma-telescope.jp/column/workingforalma_computing
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topics
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◎星を生み出すオリオン座のガス雲をアルマ望遠鏡がとらえた
冬の夜空に明るく輝くオリオン座には、星を活発に生み出すオリオン大星雲が
あります。今回、アルマ望遠鏡とスペインのIRAM 30m電波望遠鏡を使って、
オリオン大星雲の北に細長くのびるガス雲のようすが詳細に撮影されました。
何本にも枝分かれしたガス雲の広がりがこれまでになくはっきりと描き出されて
います。
https://alma-telescope.jp/news/orion-201803
◎チリ観測所の2グループが国立天文台長賞を受賞
国立天文台で特に顕著な業績を挙げた職員に対する平成29年度国立天文台長賞が、
チリ観測所に所属する2つのグループに送られました。
永井洋 特任准教授、中西康一郎 特任准教授、亀野誠二 教授、Charles L. H.
Hull助教らは、アルマ望遠鏡を用いた偏波観測の実現と、それを用いた科学研究の
推進に大きな貢献をしたことが高く評価されました。偏波観測は、宇宙に存在
する磁石の力(磁場)のようすを調べるための重要な手段です。
小杉城治 准教授、中里剛 研究技師、杉本香菜子 特任専門員のグループは、
アルマ望遠鏡のデータを自動的に処理する「データ解析パイプライン」の開発が
高く評価されました。これを用いることで、手作業でのデータ解析よりもずっと
効率よくデータを処理することが可能になります。
https://alma-telescope.jp/news/dgprize-201803
◎ACA相関器開発の記録映像を制作
アルマ望遠鏡で、日本はACA(モリタ・アレイ)の開発を担当しました。16台の
パラボラアンテナと受信機、そしてアンテナで集められた信号を処理するACA相関器
です。相関器は、一種のスーパーコンピュータです。天体から受信した信号を超高速
計算で処理し、解析しやすいデータに変換します。
今回、ACA相関器の開発記録映像『膨大な信号を瞬時に処理せよ! ACA相関器の開発』
を制作・公開しました。大量のデータを処理するために様々な工夫と試行錯誤を重ねた
開発のようすを、研究者と技術者のインタビューを軸にまとめました。
https://alma-telescope.jp/news/acavideo-201803
◎高野美南海さん、東京都市大学校友会賞を受賞
東京都市大学知識工学部4年生の高野美南海さんが、東京都市大学校友会賞を受賞
しました。アルマ望遠鏡で観測した棒渦巻銀河NGC1808のデータを使った卒業研究の
内容が高く評価されての受賞です。
高野さんは今回の研究と受賞について「アルマ望遠鏡という世界最高性能の望遠鏡の
データを用いて研究できたことは一生の誇りです。研究、さらに受賞を通して棒渦巻
銀河NGC1808とはかけがえのない友達になれました。私を温かく迎えてくださった
伊王野大介先生と大学院生の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。」と語っています。
https://alma-telescope.jp/news/takano_tcu-201803
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event
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◎2018年4月14日(土)~5月26日(土)(全4回)
朝日カルチャーセンター新宿教室 「アルマ望遠鏡で挑む宇宙の謎 」
講師:平松正顕(国立天文台助教)
大石雅寿(国立天文台准教授)
片岡章雅(国立天文台助教)
松田有一(国立天文台助教)
開講日:2018年 4/14, 4/28, 5/12, 5/26
時間:10:00~12:00
場所:朝日カルチャーセンター新宿教室(東京都新宿区)
申込:朝日カルチャーセンター新宿教室
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/bd36c409-666e-a671-2ab8-5a66d413c9d2
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afterword
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連日のあたたかな日差しを受けて、国立天文台三鷹キャンパスの桜は早くも
満開をすぎ、構内には薄桃色の花びらが舞っています。新年度のはじまりを
いかがお迎えでしょうか。
4月は、アルマ望遠鏡を使う研究者にとっては忙しい季節です。というのも毎年
4月20日ごろに、アルマ望遠鏡への観測提案提出の締切が設定されているからです。
今回の締切は4月19日24時(日本時間)で、今年10月から来年9月までの1年間に観測
するテーマが公募されています。研究者は、これまでの観測成果や理論的検討を
もとに観測計画を練り上げ、わかりやすい観測提案のかたちにして提出することが
求められています。審査員となる天文学者がこれらの提案を読んで審査し、今年夏
ごろに観測プログラムが出そろいます。今度はどんな観測が実行されることになる
のでしょうか。お楽しみに。
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