アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
======================================
国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2018年6月29日号
======================================
今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
—————————————
pick up!
—————————————
◎アルマ望遠鏡、若い星のまわりに生まれたばかりの惑星の兆候を発見
ふたつの国際研究チームが、アルマ望遠鏡を使って若い星HD 163296を観測し、
この星のまわりに3個の誕生直後の惑星が存在する確かな証拠を発見しました。
惑星そのものを見るのではなく、若い星を取り巻くガスの円盤が惑星の重力に
よって乱されているようすを調べるという方法で、生まれたばかりの惑星の
存在が示唆されたのです。アルマ望遠鏡による観測でこれほど確かな太陽系外
惑星の証拠が得られたのは、これが初めてのことです。
http://c.bme.jp/14/924/17/5462
—————————————
topics
—————————————
◎多彩な構造を持つ惑星誕生現場 ―若い星MWC 758 の高解像度観測
台湾中央研究院天文及天文物理研究所/アリゾナ大学のロビン・ドン氏らの研究
チームは、アルマ望遠鏡を使って若い星MWC 758を観測し、この星を回る塵の円盤に
さまざまな構造があることを発見しました。高解像度撮影で写し出された円盤には、
渦巻き腕や塵のかたまり、少しひしゃげた形に開いた円盤の穴といった構造が見つ
かり、これらは円盤内で形成されつつある惑星によって作られている可能性があり
ます。これまでもアルマ望遠鏡は若い星の円盤を数多く撮影してきましたが、また
ひとつ惑星誕生現場の素顔が明らかになりました。
http://c.bme.jp/14/924/18/5462
◎短編アニメシリーズ “Why ALMA?” を公開
電波を使って目には見えない宇宙の姿を明らかにし、その謎に迫ろうとしている
アルマ望遠鏡ですが、電波で宇宙を観測することやたくさんのアンテナを組み合わ
せて使うことなど、一般的な望遠鏡とは違う点が多くあります。そんなアルマ望遠
鏡の特徴をわかりやすく紹介するため、短編アニメーションシリーズ “Why ALMA?”
(全5回)を作成しました。日本語ナレーションは、声優の緒方恵美さんに担当
いただきました。子供のころから宇宙に親しんでこられた緒方さんの声で、暗黒
宇宙の謎に挑むアルマ望遠鏡の冒険をお楽しみください。
http://c.bme.jp/14/924/19/5462
◎日本科学未来館にて、アルマ望遠鏡の常設展示がオープン
東京お台場の日本科学未来館にて、アルマ望遠鏡の技術と観測成果を紹介する常設展示
がオープンしました。「アルマで探るみえない宇宙」と題された展示は、日本科学未来
館5階の常設展示「世界をさぐる」の一角に設置されました。アルマ望遠鏡の概要や特徴、
ねらいなどがパネルで展示されているほか、国立天文台が中心となって開発した3種類の
超伝導受信機とその心臓部である超伝導素子も展示されています。また、アルマ望遠鏡に
関わる3名の研究者のインタビュー映像もあります。ぜひ足をお運びください。
http://c.bme.jp/14/924/20/5462
—————————————
event
—————————————
◎2018年7月22日(日)
日本科学未来館トークセッション
「驚異の視力で宇宙をみる~アルマ望遠鏡がひらく天文学の新時代」
講師:長谷川哲夫(国立天文台チリ観測所 上席教授)
時間:14:30~15:30
会場:日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
参加費:入館料のみ
参加方法:事前申し込み不要。直接会場までお越しください。(先着順)
詳細:日本科学未来館
http://c.bme.jp/14/924/21/5462
—————————————
afterword
—————————————
「電波で宇宙を調べる」ということが、ともかくピンとこない。そんな感想をお持ちの
方もいらっしゃるかもしれません。自分で望遠鏡をのぞいたり、美しい写真を撮影でき
たりする可視光天文学とは違って、「電波でものを見る」ことは、普段の生活からは
ちょっとかけ離れています。
そんな電波天文学を親しみやすい形で紹介する動画が、トピックスのコーナーで紹介した
“Why ALMA?”シリーズです。電波で宇宙を見ると何が見えるのか、アルマにはどうして
たくさんのアンテナがあるのか、などを、全5本の映像で紹介しています。ナレーションは、
声優の緒方恵美さんにお願いしました。緒方さんは子どものころから東京渋谷にあった
五島プラネタリウムや国立科学博物館に通われていたそうで、宇宙に幼少のころから
親しんでこられたとのこと。この動画をご覧いただく皆さんにも、今回の動画を
きっかけに電波天文学に親しみを持っていただければと思います。
動画は、下記のアルマ望遠鏡YouTubeチャンネルで公開しています。
ぜひご覧ください。
http://c.bme.jp/14/924/22/5462
———————————☆—-
In search of our Cosmic Origins
□ Twitter
http://c.bme.jp/14/924/23/5462
□ お問い合わせ
http://c.bme.jp/14/924/24/5462
□ メールマガジン登録/解除
http://c.bme.jp/14/924/25/5462
自然科学研究機構 国立天文台 チリ観測所
Copyright(C) 2018 Atacama Large
Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
All rights reserved.
—————————————
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
国立天文台三鷹の特別公開「星と宇宙の日2024」が、10月19日(土)に行われました。星と宇宙の日は、三鷹キャンパスの施設公開…
アルマ合同観測所副所長を務める、国立天文台アルマプロジェクトの水野範和(みずの のりかず)教授が令和6年度外務大臣表彰を…