2018. 8. 27

【ALMAメールマガジン】星の衝突でまきちらされた放射性元素を発見

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン

ALMA Mail Magazine 2018年8月27日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。

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pick up!
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◎星の衝突でまきちらされた放射性元素を発見

アルマ望遠鏡とフランスにある電波望遠鏡NOEMAの観測から、宇宙で初めて放射性
元素を含む分子が発見されました。フッ化アルミニウムの同位体分子 26AlFです。

今回観測対象となったのは、1670年に突然明るく輝く「新星」として記録された、
こぎつね座CK星です。現在では、この新星爆発は恒星衝突によって引き起こされた
ことがわかっています。今回の電波望遠鏡による観測の結果、衝突によって星の
内部がかきまぜられ、星の奥深くにあった物質が宇宙空間に汲み上げられていたこと
がわかりました。これまでの観測から、アルミニウムの同位体 26Al は天の川銀河
のなかに太陽3個分に相当する量が存在するとされてきましたが、その起源は謎
でした。恒星衝突はごくまれにしか起きない現象ですから、恒星衝突だけで天の川
銀河に存在する26Alのすべてを説明することはできないようです。しかし、その
起源について少なくともひとつの手がかりが得られたことは確かです。

http://c.bme.jp/14/924/31/5462

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topics
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◎アルマ望遠鏡科学観測サイクル6の観測提案審査が完了

2018年10月から1年間にわたって行われるアルマ望遠鏡科学観測「サイクル6」で
実施される観測プロジェクトが出そろいました。2018年4月を締切として世界中
から観測提案が募集された結果、集まった提案書の要求時間合計は19000時間を
超え過去最大、観測提案に名を連ねた研究者の合計は1200名以上にのぼりました。
今回の観測提案における競争率は4.9倍で、これも過去最高となりました。
新しい観測成果に、ぜひご期待ください。

http://c.bme.jp/14/924/32/5462

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event
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◎2018年7月6日~9月25日
Space Challenge in Ginza
会場:METoA GINZA(東京都中央区)
時間:11:00~21:00
料金:入場無料

三菱電機のショールーム METoA Ginzaにて、アルマ望遠鏡や野辺山45m電波望遠鏡、
人工衛星などをテーマにした展示が行われています。アルマ望遠鏡現地のVR体験や
映像上映などの展示があります。
 http://www.metoa.jp/event/space-challenge-in-ginza/

◎2018年9月1日(土)
天文講座『アンデスの巨大電波望遠鏡ALMAでさぐる暗黒の宇宙』
会場:世田谷区立教育センタープラネタリウム(東京都世田谷区)
時間:18:30~19:30
講師:阪本成一(国立天文台チリ観測所長・教授)
定員:140名(当日午前9:00から観覧券を販売、先着順)
料金:大人(高校生以上) 400円  小・中学生 100円  幼児無料
 http://www.city.setagaya.lg.jp/event/1994/d00122214.html

◎2018年10月7日(日)
さいたま市宇宙劇場 特別講演投映『宇宙に挑む~天文学者とアルマ望遠鏡~』
会場: さいたま市宇宙劇場(埼玉県さいたま市)
時間:13:30~15:30
講師:平松正顕(国立天文台チリ観測所 助教)
定員:280名(事前申し込み)
料金:無料
申込:9月1日(土)13:00より、さいたま市宇宙劇場(048-647-0011)にて電話予約受付
 http://www.ucyugekijo.jp/#event

◎2018年10月26日(金)・27日(土)
三鷹・星と宇宙の日『太陽系再発見』
会場:国立天文台三鷹キャンパス(東京都三鷹市)
時間:10/26 14:00-19:00(プレ公開)、10/27 10:00-19:00(本公開)

国立天文台、自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター、東京大学天文学
教育研究センター、総合研究大学院大学天文科学専攻の特別公開イベントです。
 https://www.nao.ac.jp/open-day/2018/

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afterword
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8月25日、気持ちの良い晴天の下で国立天文台野辺山宇宙電波観測所の特別公開が
開催され、およそ2000人の来場者がありました。アルマ望遠鏡プロジェクトでも
ジオラマの展示や最新成果紹介、ミニ講演、電波天文学の基本がわかる塗り絵など
さまざまな企画を用意して多くの方に楽しんでいただきました。日本の電波天文学
の聖地たる野辺山は、アルマ望遠鏡プロジェクトの礎となった大切な場所でも
あります。特別公開以外でも、野辺山宇宙電波観測所は毎日公開しています。
巨大なパラボラ群は一見の価値ありですので、ぜひ足をお運びください。

次の大きなイベントは、10月の国立天文台三鷹の特別公開『三鷹・星と宇宙の日』
です。こちらでもアルマ望遠鏡プロジェクトは最新成果の紹介やミニ講演など
さまざまな企画を考えています。天文学というとどうしても遠くの世界を相手に
しているように感じられるかもしれませんが、天文学の現場には多くの天文学者
や技術者、さまざまな業務を担うスタッフがいます。ぜひ現場の生の姿をご覧
いただき、天文学の最先端のドキドキワクワクを多くの方と共有したいと考えて
います。皆様お誘いあわせの上、ぜひお越しくださいませ。

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