2018. 5. 2

【ALMAメールマガジン】アルマ望遠鏡で目撃する124億年前の原始銀河団

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン

ALMA Mail Magazine 2018年5月2日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。

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pick up!
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◎アルマ望遠鏡で目撃する124億年前の原始銀河団

アルマ望遠鏡による観測で、124億光年かなたの宇宙の一角に14個の銀河が驚くほど
高い密度で密集していることが発見されました。これらの銀河はまさにこれから
衝突・合体をするところであり、やがて巨大な銀河団の中心核になると考えられます。
カナダ・ダルハウジー大学のスコット・チャップマン氏は「アルマ望遠鏡の観測で、
銀河団進化の道筋を予想するための出発点が初めて明快に示されたのです。これら
14個の銀河はやがて星を作るのをやめ、ひとつの巨大銀河へと合体していくことで
しょう」と語っています。

https://alma-telescope.jp/news/galaxy-megamerger-201804

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topics
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◎アルマ望遠鏡データに基づく論文が、日本天文学会欧文研究報告論文賞を受賞

名古屋大学の深川美里さんたちが発表した論文が、2017年度日本天文学会欧文研究報告
論文賞を受賞しました。受賞の対象となった論文は、若い星HD142527のまわりの塵の
円盤をアルマ望遠鏡で観測した結果を報告するものでした。深川さんらは、塵が円盤内
で一様に広がっているのではなく一部に偏って存在していることを発見し、そこで惑星
が作られる可能性が高まっていることを示しました。この結果は原始惑星系円盤の形成
進化の研究に新たな展開をもたらし、その波及効果が今後も見込まれる研究となって
いることが高く評価されました。

https://alma-telescope.jp/news/pasj-201804

◎アルマ望遠鏡への観測提案締切、提案はまたも記録的な数に

アルマ望遠鏡科学観測サイクル6への観測提案が、4月19日24時(日本時間)に締め切ら
れました。世界中から1800を超える観測提案が提出され、その数は過去最高を再び更新
しました。提出された観測提案は世界中から選ばれた研究者によって審査され、最終
選考は6月18日~23日に東京で行われる予定です。採択された提案は、2018年10月から
1年間のうちに、アルマ望遠鏡で観測が実行されます。

https://alma-telescope.jp/news/cycle6-201804

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event
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◎2018年4月14日(土)~5月26日(土)(全4回)
朝日カルチャーセンター新宿教室 「アルマ望遠鏡で挑む宇宙の謎 」
講師:平松正顕(国立天文台助教)
   大石雅寿(国立天文台准教授)
   片岡章雅(国立天文台助教)
   松田有一(国立天文台助教)
開講日:2018年 4/14, 4/28, 5/12, 5/26
時間:10:00~12:00
場所:朝日カルチャーセンター新宿教室(東京都新宿区)
申込:朝日カルチャーセンター新宿教室
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/bd36c409-666e-a671-2ab8-5a66d413c9d2

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afterword
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国立天文台三鷹キャンパスでは緑が日に日に濃くなり、構内散策も気持ちの良い
5月となりました。キャンパス内は毎日自由見学を受け入れていますので、お近くに
お越しの際はぜひお立ち寄りください。

アルマ望遠鏡プロジェクトでは、このメールマガジンをはじめ、ウェブサイトや
各種講演会、twitterなどさまざまな場を活用して成果の発信を行っています。
それでも、「電波天文学はちょっとまだなじみにくい」という方もまだまだ
多くいらっしゃいます。そこでこの度、マンガを使ってアルマ望遠鏡や電波
天文学の基本をご紹介する企画を立ち上げました。Twitterを使って発信して
いくこの企画『マンガでわかるアルマ望遠鏡』、第1回は「宇宙にある物質が
どのようにして電波を出すのか」ということを解説しています。
https://twitter.com/ALMA_Japan/status/991233272045887488

「分子が別の分子にぶつかって、回ることで電波を出す」という基本的なイメージ
をマンガで表現しました。きちんと理解するためには大学レベルの量子力学が必要な
テーマではありますが、目に見えない小さな分子が宇宙のそこかしこでクルクル回って
いて、それをアルマで観測している、そんなイメージを思い浮かべてみたら、ちょっと
楽しいかもしれません。

この企画は、今後も継続して様々なテーマを取り上げていく予定です。電波天文学や
アルマ望遠鏡について知りたいこと、「ここがちょっとわからない」ということなど
ありましたら、ぜひお気軽にアルマ望遠鏡広報担当 alma-info@nao.ac.jp まで
お知らせください。その疑問に、マンガでお答えできるかもしれません。

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